「有料サイトの利用料金が未納です」などと嘘を言って金をだまし取ろうとする架空請求詐欺で、コンビニ払い(コンビニ収納代行)を悪用する事例が増加しているとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。
■架空請求で「コンビニ払い」を指示、うっかり騙されるケース増加
同センターによると、詐欺業者は電話やメールで消費者に「支払番号」を伝え、その番号を使ってコンビニの店頭で支払いを行うよう指示する。コンビニ払いというと、バーコードが記載された払込用紙をレジで店員に渡して支払うやり方を思い浮かべる方が多いかもしれないが、今回悪用されているのは、ネット通販の支払いなどで使われるペーパーレスの仕組みだ。支払いを行いたい人がコンビニ内の端末に番号を自ら入力し、出力された紙をレジに持っていくか、レジの店員に番号を直接伝えて金を支払う。
被害者は「未納料金」を支払っていると思っているが、実際は詐欺業者の買い物代金の支払いをさせられている。商品券などの代金を支払わせて、その後に現金化している可能性があるほか、インターネットオークションやチケットサイト、フリマアプリ等で商品の空売り(出品者・落札者の両方が詐欺業者)を行い、落札代金を消費者に支払わせている場合もあるという。同センターではそうした事例を2件、紹介している。
・架空請求で約40万円をコンビニ払い――実は他人のオークション代金
埼玉県の40歳代男性は、スマートフォンにかかってきた電話に出たところ、「有料サイトの料金が未払いのため、法的措置を取る。民事訴訟になるので次の四つから一つを選択するように」との自動音声が流れた。「和解希望」を選択したところ、転送されて電話口に出た男から約10万円支払うよう言われ、コンビニの端末で男から言われた番号を入力して紙を出力し、レジで支払った。さらに3時間後、同じ男から再び電話があり、「弁護士を立てる費用に約29万円が必要だ」と言われて同じ方法で支払ったという。コンビニでもらった領収書を見ると、オークションで落札した商品代金を支払ったことになっていた。
・架空請求で約10万円をコンビニ払い――実は他人のチケット代金
東京都の50歳代女性のケースでは、スマートフォンにしつこく電話があったため出たところ、有料動画サイトの利用料金が未納だと言われた。関係費用として28万円を請求されたが、支払えないと告げると明日までに約10万円を支払うようにと言われ、電話で誘導されるままにコンビニに行き、端末を操作して支払ってしまった。領収書には、お客様氏名として自分ではない知らない人の名前と、チケットサイトらしき名称の記載があったという。
■詐欺に気付いたら迅速に行動を
国民生活センターでは、支払った後でトラブルに気づいた場合には、支払いを行ったことを証明する領収書等を手元に用意した上で、早急に領収書に記載された事業者(詐欺業者がインターネット上で買い物等を行ったと思われる事業者)に連絡するようすすめている。支払ってしまった金額を取り戻すことは困難だが、事業者によっては、何らかの調査等をする可能性もあるためだ。
また、不安に思ったり、トラブルにあったりした場合は、すぐに消費生活センター(局番なしの188(いやや))や、警察(警察相談専用電話:#9110)へ相談するようアドバイスしている。
(2016/07/11 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・速報!コンビニ払いを指示する架空請求にご注意!-詐欺業者から支払番号を伝えられていませんか?-(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20160707_1.html
・報告書本文[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160707_1.pdf