スマートフォンの位置情報を使ったゲーム「ポケモンGO」が、国内でも22日から配信が始まった。先行配信された欧米からは、さまざまなトラブルが伝えられており、国内のセキュリティ機関や企業などが注意を呼びかけている。
■重要ポイントを網羅した9項目――大人も子供も一読を
国内の配信を控えた21日、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は「ポケモントレーナーのみんなへのおねがい♪」と題したチラシを公開し、「個人情報を守ろう」「偽アプリ、チートツール注意」「お天気アプリは必ず入れよう」「熱中症を警戒しよう」「予備の電池を持とう」「予備の連絡手段を準備しよう」「危険な場所には立ち入らない」「会おうという人を警戒しよう」「歩きスマホは×ですよ」の9項目の注意事項をイラスト入りで紹介した。ゲームをプレイする上での主な注意事項が、このチラシに網羅されているので、大人も子供もぜひご一読いただきたい。
■とくに注意したい「アプリのインストール」と「画像投稿」
情報処理推進機構(IPA)は26日、「話題のアプリでトラブルに巻き込まれないために」と題した「安心相談窓口だより」を公開し、「アプリのインストールは公式マーケットから」「SNSへの画像投稿はよく確認してから」の2点を注意事項として紹介した。公式マーケットの件は、NISCの「偽アプリ、チートツール注意」と同じ問題で、公式以外で配布されているアプリには、絶対に手を出さないよういしていただきたい。
iOS端末の場合は、原則「App Store」からしかインストールできないが、Android端末のセキュリティ設定で、提供元不明のアプリのインストールを許可する設定にしていると、危険なアプリの侵入を許してしまう。公式マーケットの場合も、類似アプリや関連アプリが複数公開されているので、誤ってインストールしないよう注意していただきたい。アプリ名(Pokémon GO)と提供元(Niantic, Inc.)をよく確認すること。SNSへの画像投稿にからむ問題については、後述の「『身バレ』に注意」を参照いただきたい。
■危険な場所・迷惑な場所は「削除リクエスト」を
消費者庁は27日、「Pokémon GO に関する注意喚起」を公開した。同庁は、「時間や場所によって画面上の地図に示される情報が変化します」「ポケモンが様々な場所で出現します」「ゲームをするために土地勘のない場所に行くことがあります」というゲームの3つの特徴をあげ、「「ながらスマホ」は危険です! 」「危険な場所に立ち入らない!」「急に立ち止まるのは危険です!」「ポケストップやジムの削除リクエストができます!」の4項目を危険防止策にあげている。
最後の削除リクエストについては、ポケストップ(アイテムを入手できる場所)やジム(ポケモン同士で対戦できる場所)になっている施設の所有者はもちろん、一般ユーザーでも運営会社に削除リクエストを行うことができる。危険な場所や迷惑な場所に位置しているような場合には、公式サイトの「ポケストップやジムについて報告する」のリクエストフォームから申請していただきたい。トレーナー(ゲームのプレイヤー)は、アプリの「設定」で「ヘルプセンター」をタップして公式サイトを開き、右上の「リクエストを送信」→「ポケストップやジムについて報告する」と進む。
ヘルプセンターには、ゲームをプレイするうえでの注意事項をまとめた「Pokémon GOトレーナーガイドライン」などもある。他のセキュリティ企業からの注意喚起等と合わせて末尾にまとめておくので、これらもご確認いただきたい。
■投稿画像やニックネームでわかる「身バレ」に注意
IPAが注意事項にあげている「SNSへの画像投稿はよく確認してから」について補足する。屋外で遊ぶことが前提のこのゲームでは、ゲーム内の世界に実際の地図が使われており、トレーナーは現実の世界を歩き回りながらプレイする。さらにポケモンの捕獲時には、ARモードがオンだとスマートフォンのカメラがとらえた現実世界を背景に、野生のポケモンが写し出される仕組みだ。
ゲーム画面をSNSなどに投稿する際には、こうした特性に注意し、事前に画像を加工しておかないと、場所や投稿者の身元を特定されてしまうかも知れない。主なチェックポイントは、フィールドのマップ、背景に映り込んだランドマークなど。
トレーナーに付けるニックネームにも注意が必要だ。画面に表示されるほか、ジムにポケモンを置いたり、ルアーモジュールを使用したりすると、ニックネームが他のユーザーから閲覧される。実名やSNSのユーザー名などと同じものを設定していると、簡単に身元が特定されてしまうかも知れない。
これからゲームを始める方は、ニックネームの設定に注意を払っていただきたい。すでに本名や本人を特定されやすいニックネームを登録してしまっている方は、ヘルプセンターから変更をリクエストできる。アプリの「設定」から「ヘルプセンター」をタップして公式サイトを開き、右上の「リクエストを送信」→「ニックネームや所属チームの変更」と進む。
(2016/07/27 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・位置情報ゲーム「ポケモンGO」に関する注意喚起について
ポケモントレーナーのみんなへおねがい[PDF](NISC)
http://www.nisc.go.jp/active/kihon/pdf/reminder_20160721.pdf
・話題のアプリでトラブルに巻き込まれないために(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20160726-2.html
・Pokémon GO に関する注意喚起(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_160727_01.html
<Pokémon GO 公式サイト>
・Pokémon GO 公式サイト
http://pokemongo.nianticlabs.com/ja/
・ヘルプセンター
https://support.pokemongo.nianticlabs.com/hc/ja
・Pokémon GOトレーナーガイドライン
https://support.pokemongo.nianticlabs.com/hc/ja/articles/221993967-Pok%C3%A9mon-GO%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3
・ポケストップやジムについて報告する
https://support.pokemongo.nianticlabs.com/hc/ja/articles/221968408-%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%84%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%81%99%E3%82%8B
<カスペルスキー>
・ポケモンをゲットしよう:安全には気をつけて
https://blog.kaspersky.co.jp/gotta-catch-em-all-with-caution/11970/
・サイバーセキュリティ的:ポケモンGOを楽しむために
https://blog.kaspersky.co.jp/enjoy-pokemon-go-with-caution/12063/
<マカフィー>
・Pokémon GOに潜む危険
http://blogs.mcafee.jp/mcafeeblog/2016/07/pokmon-go-b709.html
・Pokémon GO: 家族で安全にポケモンを楽しむために
http://blogs.mcafee.jp/mcafeeblog/2016/07/pokmon-go-4d49.html
・野生の偽 “Pokémon GO” があらわれた!
http://blogs.mcafee.jp/mcafeeblog/2016/07/pokmon-go-8a6c.html
<シマンテック>
・Pokemon Go をお楽しみの方へ: 詐欺、マルウェア、プライバシー侵害からデバイスを保護する方法
http://www.symantec.com/connect/ja/blogs/pokemon-go
<トレンドマイクロ>
・最新モバイル脅威事情号外:「Pokémon GO」の話題性を悪用する攻撃者()
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/13621