ネットバンキングの不正送金による被害が、今年4~6月の3か月間で256件・2億4300万円にのぼることが全国銀行協会の調査でわかった。個人顧客は233件・2億1300万円、法人顧客は23件・3千万円の被害が出ている。
全国銀行協会は、同協会の正会員・準会員・特例会員(190行)を対象にアンケート調査を実施し、結果を公表している。ネットバンキングによる不正送金のほか、盗難通帳や盗難・偽造キャッシュカードによる不正払戻しなどについても調査・発表している。
ネットバンキングによる不正送金については、顧客(預金者)からの申出があって口座を確認したところ、本人以外による不正払戻しの発生が確認され、その振込資金がすでに引出されて預金者に返還できなくなっている件数と金額をカウントしている。
今期(2016年4~6月)の個人顧客の被害は233件・2億1300万円で、前年同期(2015年4~6月)の307件・4億600万円と比べ、大幅に減少した。前四半期(2016年1~3月)の464件・4億6800万円と比べると、件数・金額とも半減している。
法人顧客の被害は23件・3000万円。前年同期の10件・6500万円、前四半期の6件・3100万円と比較すると、件数は増加しているが、被害額は抑制されている。
なお、不正送金被害を受けた個人顧客の補償件数・補償率も公表されている。顧客に過失がなければ被害は金融機関によって補償されるが、今期の個人顧客の被害件数233件のうち149件が対応方針決定済であり、うち146件が補償され、補償率は98%となった。ちなみに、前年同期の補償率は96.4%、前四半期は99.0%だった。
(2016/09/07 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:全国銀行協会】
・「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果[PDF]
http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news280831_2.pdf
・盗難通帳、インターネット・バンキング、盗難・偽造キャッシュカードによる預金等の不正払戻し件数・金額等に関するアンケート結果および口座不正利用に関するアンケート結果について
http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/news/detail/nid/6571/