東京都に、インターネットをきっかけとしたトラブル相談が多数、若者から寄せられている。ネット広告を見て、あるいはSNSで知り合った人に呼び出されて、高額な支払いが発生する契約を結んでしまい、解約や返金に応じてもらえないという。就職や入学などで若者がトラブルにあいやすい今の時期、東京都はこうした甘言に騙されないよう、また被害にあったら一人で悩まず消費生活センターに相談するよう呼びかけている。
■「月100万円もうかる」というネット広告を見て情報商材購入
東京都は7日、「簡単に」「短時間で」「もうかる」などという広告に惹かれて情報商材を購入した人から、話が違う、もうからないといった相談が多く寄せられているとして注意を喚起した。情報商材とは、インターネット上で販売される儲け話などの情報。内容は多種多様で、商品の販売・転売ビジネスやFX投資の手法などもあれば、携帯電話機の転売や海外宝くじの購入など法に抵触するものもある。
都に相談を寄せた20歳代の男性は、ネット上で「1か月で100万円稼げる」という広告を見て、健康食品をネット上で転売するビジネスについての情報商材を1万円で購入。もうからなければ全額返金を保証するというので、借金をして商品50個分の代金20万円を支払って契約した。情報の通りにブログやSNSで広告したが全く売れないため、男性は解約・全額返金を申し出たが、条件を満たしていないとして返金に応じてもらえないという。
都はこうしたケースについて、インターネット上で簡単に申し込めるため、安易に契約してしまいがちだと指摘。簡単に短時間で大金を稼げる「おいしい話」は存在しないことや、いったん契約すると解約が困難な場合も多いことを挙げ、甘い言葉をうのみにしないよう呼びかけている。
■SNSで知り合った人から「いい話がある」と誘われて
都は10日、SNSで知り合った人や友人からビジネス講座や投資教材などを勧められ、「儲かるなら」「就職に役立つなら」と安易な気持ちで契約してしまったという相談が多く寄せられているとして注意を呼びかけた。
19歳の男子大学生は、SNSで知り合った人から「いい話がある」と誘われてカフェで会ったところ、別の人を紹介されビジネスセミナーの契約を勧められた。投資、転売、営業などのスキルを学びつつ、友人を紹介すると一人当たり3万円の報酬が得られると言われ、男子大学生は学生ローンを利用して入会金10万円、月謝2万で契約を結んだ。2回講座を受けたが、人を誘う方法を教えるだけで、「SNSを使い友達を誘え」と言われたので、自分も同じ手口で誘われたのではないかと不審に思うとして都に相談を寄せた。
都は、その場の雰囲気に流されずいったん保留にし、冷静に考えるようアドバイスしている。また、「報酬欲しさに強引に友人を勧誘すると、あなたの信用を低下させ、人間関係にひびが入ります」と警告している。
■春は消費者トラブルにあいやすい時期、十分注意を
就職や入学など生活環境が変わる時期はトラブルにあいやすい時期でもあることから、都は、困ったときは一人で悩まず、最寄りの消費生活センターに相談してほしいと呼びかけている。毎年3月には、特別相談「若者のトラブル110番」を実施し、29歳以下の人から電話と来所での相談を受け付けている(今年はすでに終了)。昨年の特別相談では、91件の相談があった。退去の際の原状回復費用に関するトラブルなど、賃貸マンション・アパートに関する相談が多く寄せられたほか、「もうかると言われてマルチ商法に勧誘された」「SNSで知り合った人に高額な投資用DVDを購入させられた」といった相談もあった。
(2017/03/23 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:東京都】
・「月100万円儲かる!」「返金保証あり」のはずだったのに!~甘い言葉を鵜呑みにしないで!
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/170307.html
・SNSで知り合った人から「いい話がある」と勧誘されて…~安易に契約するのはやめましょう!
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/170310.html
・特別相談「若者のトラブル110番」の実施結果について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/04/20q4q600.htm