「人の悩み相談にのってあげると数十万円の謝礼がもらえる」とうたう副業をみつけて会員登録したが、登録費用、文字化け解除料などを次々に請求されて不審だ――このような相談が寄せられているとして、東京都が注意を呼びかけている。
30歳代の女性は、SNSの広告を見て、悩み相談にのるという在宅ワークを提供するサイト事業者に会員登録した。すぐに相談の相手方Aさんを紹介され、事業者のサイト上のフォームから毎日メールを5、6回交換すると、Aさんから報酬30万円が支払われるという話だった。サイト事業者から、システム料金約3千円を要求されたので支払い、また翌日にはシステム上の文字化けの解除のためとして2万円を支払った。さらにAさんから、「報酬支払いのために個人情報を交換しようとしたができなかった」と連絡があり、サイト事業者に20万円を支払うよう求められた。Aさんは「後で肩代わりする」としているが、Aさんもサイト事業者の一味で、自分はだまされているのではないかと不審に思って都に相談したという。
都によるとこのようなケースでは、サイト事業者から、会員登録料、文字化け解除費用、ID・パスワード発行費用、セキュリティ強化費用などのさまざまな名目でお金が請求され、いわれるままに支払うとさらに高額の請求が繰り返される。いったんお金を支払ってしまうと、取り戻すのが困難な場合が多いという。
都は、副業紹介サイトやSNS広告に「メールをやり取りして相手の相談にのる仕事で、数十万円が稼げる」と書かれていたとしても、メールのやり取りだけで見知らぬ人から大金がもらえるようなおいしい話はあり得ないと指摘。副業収入を得ようとする気持ちに付け込んで、お金をだまし取ろうとする事業者がいることに留意しようと呼びかけている。
この手口をめぐっては昨年5月、運営する副業紹介サイトを通じ、登録料などの名目でお金をだまし取った疑いで7人が逮捕されている。被害者は女性を中心に約5万5000人、被害額は約17億円に上ったとみられる。
被害にあってしまったかも、と思った場合は、消費者ホットライン(局番なしの188)に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を紹介してもらえる。
詐欺被害の解決をうたう探偵業者もあるが、トラブルや苦情が多発していることから警視庁などが注意を呼びかけている。今月10日には、アダルトサイトの架空請求について相談してきた人から金をだまし取ったとして、詐欺の容疑で探偵業の男らが京都府警に逮捕されている。二重の被害にあわないよう、十分注意していただきたい。
(2017/04/14 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・「人の悩み相談にのってあげると数十万円の謝礼がもらえる」って本当?~副業紹介をうたうサイト事業者の騙しの手口に注意!~(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/170411.html
・消費生活相談は「188」へ!(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/kmj_mailmag/kmj-support91.html
・詐欺被害の解決・返金をうたう探偵業者(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/tantei_trouble.html
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