「注文した商品が届かない」「偽物が送られて来た」--全国の消費者センターに寄せられる、ネット通販の商品取引に関するこの種のトラブルは、年間数万件に及ぶという。ネット通販大手アマゾンの「マーケットプレイス」が、いま同じトラブルで揺れている。
マーケットプレイスは、アマゾンが国内で営業を始めた翌々年の2002年から提供している、売り手と買い手がアマゾンのシステムを利用して自由に商品を売買するサービスだ。今月に入ってから、このマーケットプレイスで注文した商品が届かない、キャンセルされたというネット上の書き込みが急増している。悪質な出品者は、アマゾン側で逐次排除しているようだが、これまでのところ利用者への注意喚起はなく、購入者に対し「アカウントの調整」との理由で返金するにとどまっている。
アマゾンで取り扱っている商品には、それぞれに販売者と発送者とが記載されている。「この商品は、Amazon.co.jpが販売、発送します」となっていれば、アマゾンの直販・直送だ。一部で問題の発生しているマーケットプレイスの商品は、販売がアマゾン以外の表記になっており、発送がアマゾン以外の場合には、購入すると相手に発送情報(住所、氏名、電話番号)が通知される。マーケットプレイスの商品には保証があり、届かない、届いたが商品説明と著しく異なる、返品したあるいは返品を希望したが返事がないといった問題が発生した場合にアマゾンに返金を申請できるが、無用なトラブルに巻き込まれないよう購入時に販売者をよく確認したい。
怪しい出費者の見分け方は、一般的な通販詐欺サイトの見分け方と共通する部分が多い。以下に、問題が発生している出品者の傾向をまとめておくので、マーケットプレイスの商品を購入される方は参考にしていただきたい。
・価格が極端に安い
一般の店舗や他の出品者の価格より大幅に安く販売されている場合には、注意が必要だ。問題の商品には人気の高いものが多く、中には、特定の業者以外は扱えないはずの商品を出品していた例もある。
・新規出品者や突然出品を再開した業者
長期間にわたり安定した高い評価を得ている相手は信頼できそうだが、評価の定まっていない「新規出品者」は注意したい。過去に高評価を得ているもののしばらく出品しておらず、突然出品を再開した相手も要注意だ。乗っ取られたとみられるアカウントからの怪しい出品も見受けられる。
・「特定商取引法に基づく表記」がおかしい
出品者のプロフィールを確認し、「特定商取引法に基づく表記」がない相手は避ける。個人が単発で出品する場合以外は、業者名や店舗名、責任者名、住所、問い合わせ先の電話番号などを全て公表しなければならない。これらの記載がない、あるが不完全、嘘を記載している相手は絶対に避ける。中には、無関係な第三者のものを記載していることもあるので注意したい。初めて取引する素性の分からない相手は、問い合わせ先に電話して確認することをお勧めする。電話する際には、相手の電話番号の頭に「184」を付け、電話番号非通知でかけることをお忘れなく。
・海外の業者や日本語の怪しい業者
問い合わせ先や発送元が海外の場合は、長期間安定して高評価を得ていない限り避けた方が無難だ。
(2017/04/28 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:アマゾン】
・Amazonマーケットプレイスでの注文
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201889680
・Amazonマーケットプレイス保証
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201889740