年末年始の買いものシーズンを迎えてショッピングサイトが賑わいを見せる中、代金を支払っても商品を発送しなかったり、クレジットカード情報などを盗み取ったりする悪質なサイトが暗躍している。警察庁と日本サイバー犯罪対策センター(JC)は21日、悪質なショッピングサイトに注意するよう呼びかけた。
JC3では、今年5月からショッピングを装う詐欺サイトの被害防止に向けた対策を実施しており、愛知県警と共同で開発したツールを活用するなどし、これまでに1万9834件の詐欺サイトを発見。フィッシング対策を推進する国際的な団体APWG(フィッシング対策ワーキンググループ)に、サイトのURL情報を提供したという。
詐欺サイトに転送するように改ざんされた国内の正規サイト272サイトについては、警察からサイト管理者らに連絡し、修復と再発防止の実施を要請。詐欺サイトで使われていた振込口座については、取締りを行い、43名を検挙し78件を送致したという。
■悪質なショッピングサイトの見分け方
ショッピングサイトの中には、代金を支払っても商品を送らない、偽物や粗悪品を送り付ける、決済に見せかけてクレジットカード情報等を騙し取る悪質なサイトが多々ある。「通販詐欺サイト」「なりすましECサイト」などと呼ばれるこうした悪質なサイトに引っかからないよう、JC3では注意するべきポイントを紹介している。中でも特に重要な3点をご紹介する。
・暗号化通信か
個人情報や決済情報の入力、サイトへのログイン時は、必ず暗号化通信でなければいけない。暗号化通信は、アドレスバーの「https:」で始まるURL、閉じた南京錠のマーク、運営者名の表示で確認できる。
・特定商取引に関する法律に基づく運営者の表記が正しいか
シッピングサイトは、運営者の名称、住所、電話番号、代表者や責任者の氏名などを記載しなければならない。これらが正しく記載されているか、架空のものではないか、実在する別会社の情報ではないかを確認する。
今どきの詐欺サイトは、実在するサイトをコピーして来るので、真正の業者のサイトかどうか判断のつかないことも多い。購入前に必ず電話で確認することをお勧めする。
・銀行振込以外の支払方法が選択できるか
代金を騙し取る詐欺には、銀行振込が多い。各種方法が選択できるように説明しているが、実際の決済時には銀行振込しか選択できない、銀行振込も併せて指定される、後から銀行振込に変更されるなどの形で、振込みにされてしまう場合は要注意だ。「サイトに振込先口座の記載がなく、決済時や決済後に通知された」「記載と実際が異なる」「サイトの住所表記と振込先口座の支店場所が一致しない」「名義人が一致しない」「名義人が個人名、しかも外国人」等々、怪しい口座には決して振り込まないでいただきたい。
お買い得な商品や見つからなかった商品がネット検索で見つかると、慌てて注文してしまいがちだが、くれぐれも悪質なサイトに引っかからないよう注意したい。
(2017/12/28 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・日本サイバー犯罪対策センターによるインターネットショッピングに係る
詐欺サイト対策について[PDF](警察庁)
https://www.npa.go.jp/cyber/policy/pdf/20171221.pdf
・詐欺サイト等悪質なショッピングサイトに関する注意喚起(JC3)
https://www.jc3.or.jp/topics/malicious_site.html
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