国民生活センターは20日、全国の消費生活センター等に寄せられた昨年度(2016年4月~2017年3月)の架空請求に関する相談が、前年度の2倍以上に急増したとして注意を呼びかけた。
同センターの発表によると、全国の消費生活センターに寄せられる相談情報収集を行っているシステム「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」に、3月31日までに登録された2017年度の架空請求に関する相談件数は18万2879件。前年度の相談件数8万3480件(前年度の3月31日時点の登録件数は7万6938件)の2倍以上に増加している。
相談者の年齢層は、60歳代が12万1934件(28.3%)と最も多く、次いで50歳代9万2468件(21.5%)、70歳以上7万4429件(17.3%)と続く。男女比は、男性36.1%(16万2235件)、女性63.6%(28万5601件)。特に50歳以上の女性の相談が急増しており、女性の50歳代が前年度の9651件から3万4083件(3.5倍)、60歳代が9310件から5万4639件(5.9倍)、5445件から2万1007件(3.9倍)と、かなり深刻な状況だ(いずれも不明・無回答除いた件数)。実際に支払ってしまった方からの相談は、前年度の2616件から2766件へと増加。支払総額は、前年度の約10億円から12億円へと増加している。
架空請求の手段によく使われるのは、スマートフォンの電話番号あてに届くSMS(ショートメッセージサービス)やハガキで、記載した電話番号に連絡するよう求めてくる。これに加えて最近は、先方から直接電話をかけてくる手口も使われるようになった。
実在する事業者(アマゾン、ヤフー、グーグル、楽天など)や法務省の関係団体(国民訴訟通達センター、民事訴訟管理センター、民間訴訟告知管理センター、国民訴訟お客様管理センターなど)をかたって誤認させようとするものや、連絡しないと法的措置をとる等と伝えて不安にさせるもの、弁護士を名乗る者が登場する劇場型など、詐欺業者はさまざまな方法でお金を支払わせようとする。
支払い方法も旧来の口座振込だけではなく、コンビニに行かせてプリペイドカードを購入させ、カード番号を連絡させて騙し取る方法や、支払番号を伝えてコンビニで支払う「コンビニ収納」を悪用する方法など、さまざまな方法が使われているという。発表された報告書では、5件の相談事例と実際に使われたハガキやSMSの見本が紹介されているので、ぜひご一読いただきたい。
同センターでは、未納料金を請求されても決して相手に連絡しないよう、コンビニに行くように指示されても決して応じないよう呼びかけており、不安に思ったりトラブルにあったりした場合には、消費生活センター(電話番号「188」番)や警察相談電話(短縮ダイヤル「#9110」番)へ相談するよう勧めている。
(2018/04/25 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・速報!架空請求の相談が急増しています-心当たりのないハガキやメール・SMSに反応しないで!-
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180420_1.html