ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を通じ、個人情報や内部の機密情報がインターネット上に流出する事故が止まらない。先週(12/12)に続き、Winnyによる情報流出事故をまとめた。
● 佐野地区広域消防組合、職員の私有パソコンから211名分の個人情報流出
佐野地区広域消防組合(本部:栃木県佐野市)の男性職員の私有パソコンから職員の緊急連絡網データなど内部情報がインターネット上に流出していたことが16日、明らかになった。流出していた個人情報の内容は、消防職員118人、消防団員68人、市・町職員20人、一般市民や業者5人、計211名分の氏名や電話番号、住所など。職場のパソコンが故障した際に男性職員の私有パソコンに内部データをコピーしたことがあり、同職員はそのデータを削除しないまま自宅に持ち帰っていた。自宅のパソコンにはWinnyがインストールされており、このパソコンにデータを移したことが流出を招いたものとみられる。
・佐野地区広域消防組合のHP
http://www.city.sano.tochigi.jp/119/
● 長崎県、地域政策課職員の私有パソコンから行政情報流出
長崎県地域振興部地域政策課の職員が作成したデータファイルがインターネットに流出していたことが17日、判明した。データーファイルは、「地域活性化事例集指定管理者制度導入事例集」に掲載する事例について推薦を依頼する一連の文書で、同制度導入先リストや推薦依頼先リスト、市町村あて依頼文書など。これらの文書には、記入者名や連絡先、FAX番号などが記されていた。職員は自宅で仕事をする目的で、職場のパソコンから自宅のパソコンへデータファイルをメールで送っていた。このパソコンにWinnyがインストールされていた。
・データファイルの外部流出について[PDF](長崎県)
http://www.pref.nagasaki.jp/koho/hodo/upfile/20051214180101.pdf
● 「九大進学ゼミ」、講師の私有パソコンから生徒情報約2,200名分流出
九州地方を中心に学習塾「九大進学ゼミ」102校を展開するヒューマンネットワーク(福岡市城南区)の生徒情報が流出していたことが16日、わかった。約2,200名分の個人情報流出が確認されており、このうち約2,000名分は氏名と学年のみだが、流出元となった男性講師が在籍する箱崎校(福岡市東区)に通う100名分については、住所や電話番号、塾や小・中学校の成績なども含まれるという。箱崎校の男性講師の私用パソコンにWinnyがインストールされており、このパソコンがウイルスに感染して流出したとみられる。
・個人情報流出に関するお詫びとご説明[PDF](ヒューマンネットワーク)
http://www.human-network.ne.jp/051216.pdf
● 国民生活金融公庫、職員の私有パソコンから融資先等53件の顧客情報流出
国民生活金融公庫(本店:東京都千代田区)の融資先など53件の顧客情報がインターネット上に流出していたことが14日、明らかになった。流出情報は船橋支店51件と板橋支店2件、計53件の顧客氏名と住所、契約内容など。これらのデータは同公庫職員が職場から無断で持ち出し、自宅にある私有パソコンに保存していたもので、このパソコンにWinnyがインストールされていた。
・お客さま情報の流出について(国民生活金融公庫)
http://www.kokukin.go.jp/whatsnew/whatsnew051214.html
● 気仙沼市の郵便局、郵貯関連の内部資料が職員の私有パソコンから流出
日本郵政公社東北支社が管轄する気仙沼郵便局(宮城県気仙沼市)の郵貯関連の内部資料がインターネットに流出していたことが6日、明らかになった。流出したのは、給与振り込みや年金自動受け取りの契約件数など、同局の職員20名分の郵便貯金に関する営業実績をまとめたもの。同局職員がデータを持ち帰って自宅のパソコンでとりまとめの作業を行ったといい、このパソコンにWinnyがインストールされていた。
・日本郵政公社のHP
http://www.japanpost.jp/
(2005/12/19 ネットセキュリティニュース)
■セキュリティ関連ニュース
・Winnyによる情報流出相次ぐ:香川大学医学部、関西電力、日本航空(2005/12/12)