情報処理推進機構(IPA)は5日、2006年3月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。報告の中で、ファイル共有ソフトであるWinny(ウィニー)を使うということは、50万人以上といわれる不特定多数のWinnyユーザーと自分のパソコン内のデータを共有することであるとし、この仕組みの危険性を理解できないのであれば、Winnyの使用を止めるべきだと警告している。
ウイルスに感染していなくても、ファイルの保存場所を誤れば、公開したくないファイルまで公開してしまうことになる。ウイルスに感染した場合の悲惨さは言うまでもない。ウイルス予防の大前提は出所不明なファイルを開かないことだが、IPAはファイル交換ネットワークに流通しているファイルのほぼすべてが出所不明であるとして、Winnyに限らず、ファイル交換ソフトを使用してファイルをダウンロードして開くことは危険な行為だとしている。
IPAではWinnyウイルスによる情報漏えい問題に対応するため、3月20日にWinny緊急窓口(Winny119番)を新たに開設した。この影響か、相談件数は2月の834件から3月には1,056件に激増、そのうちWinnyに関する相談は196件だという。窓口に多く寄せられる相談への回答例として、Winnyウイルスに感染したおそれがある場合の対応や、PC内のWinnyの有無を確認する方法などを紹介している。
このほか、アダルトサイトなどで画像をクリックしただけでスパイウエアがインストールされ、普段使用しているメールアドレスが抜き取られるといった相談が多く寄せられていることなどが報告されている。
(2006/04/06 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[3月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/04outline.html