情報処理推進機構(IPA)は2日、2006年5月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。報告の中で、5月に防衛庁や日本経済新聞社などになりすましたウイルスメールが相次いで出現したことを受けて、差出人名を有名組織に偽装したメールについて警告している。
メールの差出人名は簡単に詐称できるので、差出人名が信頼できる組織であっても、メールの添付ファイルを安易に開いてはいけない。また、今回の事件のように、送りつけられたウイルスが新種の場合、対策ソフトを最新状態にしていてもウイルスが検出されないことがある。対策として、メールの添付欄に表示されるファイル名を確認することを勧めている。ファイルの拡張子が「.exe」「.pif」「.scr」「.bat」「.com」である場合、ウイルスファイルの可能性がある。
ファイルのアイコンが偽装されているケースもある。見破るには、ファイルを開かずにパソコンのフォルダに保存し、プロパティで「ファイルの種類」を確認する。たとえばファイルのアイコンが「文書ファイル」なのに、プロパティで「アプリケーション」と表示された場合、偽装とわかる。
このほか、ワンクリック不正請求に関する相談が、統計を取り始めた昨年からの最高件数210件を記録した。寄せられる相談事例の中には、セキュリティ警告を無視して自分でスパイウェアを取り込んでしまう例が多いという。そのほかにも「セキュリティ警告は無視しても大丈夫」と偽って警告を無視する手順を表示し、ユーザーにスパイウェアを実行させる悪質なサイトが出現しており、IPAは警戒を呼びかけている。
(2006/06/05 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[5月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/06outline.html
■参照記事(ネットセキュリティニュース)
・日経新聞かたるウイルスメール出回る~ ウイルスのワクチンソフト公開(2006/05/26)
・航空自衛隊や防衛庁を装う「なりすましメール」に注意(2006/05/19)