先週末から今週にかけ、国や地方自治体の機関からファイル共有ソフトを介した情報流出が3件報告された。高知医療センターでは患者情報26万件が、東北地方更生保護委員会では保護観察対象者3名の個人情報が、愛知県豊明市では消防職員87名の名簿がインターネット上に流出した。
■高知医療センター、旧高知市民病院の患者情報26万件流出
高知医療センター(高知県高知市)は30日、同センターに統合された旧高知市民病院の患者と職員の情報がインターネット上に流出したと発表した。
流出したのは旧市民病院が保有していた約26万件の患者台帳と、職員の氏名、住所、電話番号を記載した名簿634名分など。台帳には患者の氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、7桁のID番号が記載されているが、病歴や診療情報などは含まれていない。同日午後、総務省から県を通じて連絡があり流出が判明した。
同センターは昨年3月、県立中央病院と市立市民病院を統合する形で新設されたPFI方式の病院で、開院にさきがけ旧市民病院のデータを現行システムに移管する作業を行っている。同センターは、移行時に作成したデータが関係者のパソコンから流出した可能性が高いとみて、現在調査を進めている。
・高知医療センターHP
http://www.khsc.or.jp/
■東北地方更生保護委員会、保護観察対象者3名の個人情報流出
法務省・東北地方更生保護委員会(仙台市青葉区)は30日、東北地方の保護司の私有パソコンから保護観察対象者3名の個人情報が流出したと発表した。
同委員会によると、流出したのは当該保護司が担当した保護観察処分中の10代の少年と40代の男性、および保護観察が終了した50代の男性に関するファイル10件。3人の名前のほか、処遇メモや保護司と身元引受人が交わした手紙などが含まれていた。
当該保護司が自身のパソコンでこれら情報を管理していたところ、9月下旬頃にウイルスに感染しWinnyを介して流出。今月23日、内閣官房情報セキュリティーセンターからの指摘で判明した。当該保護司は、パソコンに対策ソフトを入れていたので大丈夫だと思っていたという。
・法務省HP
http://www.moj.go.jp/
■愛知県豊明市、消防職員87名の名簿流出
愛知県豊明市は28日、同市消防職員の私有パソコンから同市消防職員63名と近隣消防職員24名の住所、氏名などが記載された名簿がインターネット上に流出したと発表した。
同市によると、流出したのは当該職員が個人的に作成していたもので、今月26日に総務省からの指摘で判明した。当該パソコンにはこのほかに、同市の職員名簿63名分と沓掛中学校のPTA連絡網25件も含まれており、これらも流出した可能性が高いという。
都築龍治豊明市長は30日、HPに謝罪文を掲載。「事案発覚後、情報セキュリティ委員会を開き、原因追及と今後の対策に万全を期すとともに、個人情報の取り扱いを徹底するなど、情報セキュリティの向上を進めている」とコメントしている。
・個人情報流出事案について(豊明市)
http://www.city.toyoake.lg.jp/kojin.htm
(2006/10/31 ネットセキュリティニュース)