高砂市民病院(兵庫県高砂市)は12日、69名分の患者情報がインターネット上に流出したと発表した。
同病院などによると、流出したのは2003年~2004年に同病院に入院し褥瘡(じょくそう:床ずれ)を発症した患者69名の氏名、診察券番号、発症日、部位、傷の程度、治癒または治療年月日および使用薬剤などの情報。同病院に勤務する看護士が自宅のパソコンで作業するために、メモリーにコピーして持ち帰ったものだという。
報道によると、当該看護士は今年2月にパソコンを購入し、春ごろにはインストールしていたWinny(ウィニー)を削除したと主張している。しかし、今月11日朝、ネット掲示板で報告された流出情報からは、先月19日に感染し、Winnyネット上に流出したことがうかがえる。市は11日夕方、県を通じて総務省からの連絡で流出を把握しており、調査が十分に行われていない段階での発表とみられる。
同病院は14日、ホームページに謝罪文を掲載。流出原因の究明と改善を速やかに行い、個人情報管理体制を確立するとしている。
(2006/12/14 ネットセキュリティニュース)
■個人情報流出についてのお詫び(高砂市民病院)
http://www.hospital-takasago.jp/news_sentence03.html
[Winny地裁判決]~ 開発者有罪で控訴、業界団体はユーザー啓発活動を実施○
京都地方裁判所は13日、ファイル交換ソフトWinny(ウィニー)を開発し、ゲームや映画ソフトの違法コピーを容易にしたとして、著作権法違反ほう助の罪に問われていた被告(36歳)に対し、罰金150万円(求刑は懲役1年)の有罪判決を言い渡した。被告の弁護人は同日、判決を不服として大阪高裁に控訴した。
判決の中で裁判長は、Winnyについて「さまざまな分野に応用可能で有意義なものであり、技術自体は価値中立的」とし、外部への提供行為が違法かどうかは、「現実の利用状況やそれに対する認識、提供する際の主観的態様による」とする判断基準を示した。その上で、「被告はWinnyが著作権侵害に利用されている現状を十分に認識しながら、Winnyを公開し続けた」と指摘。著作権法違反のほう助が成立するとし、被告が「著作権侵害をことさら生じさせることを企図していたわけではない」ため罰金刑に処するのが相当だとした。
コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と日本音楽著作権協会(JASRAC)の調査によると、Winnyネット上には416万件、100億円相当の著作権侵害ファイルが置かれている。ACCSでは、今回の判決について「裁判所が認定した事実からすれば、本日の判決は妥当であり、被告にはこの結果を重く受け止めてほしい」とコメントしている。
また、ACCSとJASRACでは、日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議(Telecom-ISAC Japan)と共同で、Winny等のP2Pファイル交換ソフトによって著作権侵害を行う恐れのあるインターネットユーザーに対し、啓発活動を行っている。具体的には、Telecom-ISAC Japan会員のプロバイダと連携して、該当ユーザーに注意喚起のメールを送り、啓発サイトへ誘導。権利侵害ファイルの流通に関する問題について理解を深めてもらい、内容を理解できたかどうかユーザーに回答を求める仕組みになっている。
(2006/12/14 ネットセキュリティニュース)
■P2Pファイル交換ソフトによる権利侵害ファイル流通防止に関するユーザー啓発について(Telecom-ISAC Japan)
https://www.telecom-isac.jp/news/news20061128.html
【関連記事:ネットセキュリティニュース】
・Winnyネット上に416万件、100億円相当の著作権侵害ファイル~業界団体調査(2006/11/29)