イギリスのインターネット監視財団Internet Watch Foundation(IWF)は現地時間17日、2006年の年次レポートを公開した。レポートによると、オンラインの児童虐待コンテンツが深刻さの度合いを増している。2006年、IWFが児童虐待サイトとみなすサイトのうち29%が、サディスティックな性行為など、深刻さのレベルが5段階中の5(最も深刻)または4の画像を含んでいた。2003年にこのレベルの画像が占める割合は7%だったので、4倍に増加したことになる。
IWFでは2006年、前年比34%増の3万1,776件の通報を処理。前年比74%増の1万656URLについて、児童虐待コンテンツを含むと判定している。これらの児童虐待サイトは、62%がアメリカで、28%がロシアでホスティングされたものだった。また、商用の児童虐待サイトのうち60%が児童のレイプ画像を販売。虐待画像に写っている児童のうち、80%は女子で、91%が12歳以下だった。
日本では、インターネット上の違法・有害情報の通報を受け付ける「インターネット・ホットラインセンター」が児童ポルノの通報窓口となっている。同センターは昨年6月から運用が開始されたので、年間の統計はまだ取れない。最新の統計情報は今年1月のもので、5,441件の通報が寄せられ、国内と国外のサイトそれぞれ48件を、児童ポルノ公然陳列にあたると判断。国内サイトのうち42件を警察に通報した。残りの6件は、通報前に削除されていた。なお同センターでは、IWFのようなサイトのレベル付けは行っていない。
(2007/04/20 ネットセキュリティニュース)
■IWF reports increased severity of online child abuse content[英文](IWF)
http://www.iwf.org.uk/media/news.196.htm
■ Annual and Charity Report 2006[英文][PDF](IWF)
http://www.iwf.org.uk/documents/20070412_iwf_annual_report_2006_(web).pdf
■統計情報 2007年1月(インターネット・ホットラインセンター)
http://www.internethotline.jp/statistics/2007/stat200701.html
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