ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)を解した情報流出が続いている。和歌山県紀の川市立中学校からは生徒146人の個人情報が、福岡市立小学校からは生徒159人の個人情報が、ネット関連会社からは会員情報など6,078件が流出した。
■紀の川市立中学校、元非常勤講師の私有PCから生徒146人の個人情報が流出
和歌山県紀の川市教育委員会は先月31日、同市立粉河中学校に勤務していた元非常勤講師(24歳)の私有パソコンから生徒146人分の個人情報が流出したと発表した。流出情報は2005年度の同校の1年生と2年生の名字や理科の定期試験の点数、成績表など。先月24日、ネット掲示板に粉河中学校の成績表が昨年8月に流出したという書き込みがあり、同市教育委員会が調査したところ、2005年度に同校に勤務した非常勤講師が自宅に保有しているパソコンから流出したことが判明した。同講師は当該データを自宅に持ち帰り私有パソコンに保存していた。県の教育委員会では個人情報データの持ち帰りを内規で禁止していた。市の教育委員会は今後、Winnyの使用と個人情報の持ち出しの禁止を徹底するとしている。
・紀の川市
http://www.city.kinokawa.lg.jp/
・粉河小学校
http://www2.ocn.ne.jp/~ko-sho/gakkou_syoukai.htm
■福岡市立小学校、男性教諭の私有PCから生徒159人の個人情報が流出
福岡市教育委員会は2日、同市の市立中学校の男性教諭(50歳)の私有パソコンから生徒159人の個人情報が流出したと発表した。流出したのは同校の2006年度卒業生143人の氏名や住所、電話番号、通知表の評点など。ほかに、同教諭が以前に勤務した学校の生徒16人の住所録も含まれている。先月27日に当該情報を含むCD-ROMが文部科学省に送付されて流出が判明した。同教諭は当該データをフロッピーディスク(FD)で持ち帰り、自宅の私有パソコンで作業していた。2年ほど前にWinnyをインストールしていが、市教委は昨年3月に市内の各校にWinnyのインストールを自粛するよう通知していた。
・福岡市教育委員会
http://www.city.fukuoka.jp/kyouiku/
■ネットマイル、Winnyのウイルス感染で会員情報6,078件など流出
ネット関連事業のネットマイル(東京都千代田区)は2日、元アルバイトの私有パソコンから個人情報を含む企業情報6,078件が流出したと発表した。流出したのは2001年4月から2002年9月までに同社のキャンペーンに参加した会員の個人情報4,093件と、一般顧客の個人情報1,985件。会員の個人情報にはメールアドレスのほか氏名、住所、電話番号、生年月日などが含まれ、一般顧客の個人情報には企業名のほか、所属部署、氏名、メールアドレス、電話番号などが含まれている。元アルバイトは同社に勤務していた2001年4月から2002年9月までの間に、私有パソコンを持ち込み、アルバイト終了後も作業に使用したデータを消去せずに自宅へ持ち帰った。その後、2007年3月18日にこのパソコンがウイルスに感染して当該情報がWinnyネットワーク上に流出した。
同社では当該顧客に対して個別に連絡すると共に、同社内に専用窓口を設けて問い合わせに対応する。再発防止策として、社内からデータ持ち出しを行っていないことを再確認するほか、アクセス制御やデータ提供基準の見直し、全就労員に対する再教育等を行うとしている。
・情報流出についてのお詫びとお知らせ(ネットマイル)
http://www.netmile.co.jp/pr/cts/service/notice070402.html
(2007/04/04 ネットセキュリティニュース)