USBメモリーの紛失による個人情報流出が後を絶たない。各機関発表などによると、今月に入ってから重要な個人情報を含む紛失事故は、すでに5件にのぼる。いずれも外部に持ち出した際、盗難や紛失にあったものだ。
・愛知厚生連・安城更生病院、のべ335名分の患者情報含むメモリー紛失(06/06)
・札幌市立陵北中、生徒と卒業生798名の個人情報含むメモリー盗難(06/09)
・ハローワーク大和郡山で障害者1,135名の個人情報含むメモリー紛失(06/11)
・京橋郵便局で117名の個人情報含むメモリー紛失(06/15)
・神戸市立灘小学校、ひったくりで324名分の児童名簿含むメモリー盗難(06/16)
これらの事件の背景には、USBメモリーの大容量、低価格化が進んでいることが挙げられる。超小型で軽量、かつ1ギガバイトの容量で数千円程度など手軽に入手できることから、以前のフロッピーディスクに代わる持ち運び可能な媒体として、急速に普及が進んでいる。しかし大容量データを携帯して持ち歩くということは、紛失する可能性も高く、その際の損失が非常に大きいという側面もある。
編集部の集計では、2006年1~12月に報道・公表された個人情報流出件数約1,600件のうち、メモリーカードやUSBメモリーなど可搬媒体からの流出は115件と、全体の約7%に過ぎない。しかし、流出した個人情報の数では、これらの媒体からの流出が最も多く、合計で690万人分近い個人情報がUSBメモリーなど可搬媒体から流出している。
気軽に持ち運べるUSBメモリーはたしかに便利なものだが、個人情報など業務データの持ち運びについては便利さゆえの危険性をあらためて認識する必要がある。ポケットなど落としやすい場所に入れないなど取り扱いに注意するほか、価格は割高だがデータ盗難を防ぐためのセキュリティ機能付きの製品を検討するなどの対策も有効と言えるだろう。
(2007/06/20 ネットセキュリティニュース)
■京橋郵便局における電子記録媒体の紛失について(日本郵政公社東京支社)
http://www.japanpost.jp/pressrelease/s03/yubin/070615_03201.html
■個人情報の紛失について(お詫び)(JA愛知厚生連 安城更正病院)
http://www.kosei.anjo.aichi.jp/topics/image/kojin.pdf
■個人情報紛失についてのお詫び(奈良労働局)
http://www.nararoudoukyoku.go.jp/00topics/H190612owabi.pdf
【トピックス:ネットセキュリティニュース】
・ノートPCやUSBの紛失、盗難に備える【データ保護の方法】(2006/01)