岩手県立高校で、ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)のウイルス感染による個人情報流出が明らかとなった。また、鹿児島県で職員の私用PCから個人情報が流出した問題(既報)で、県は該当職員の処分を発表した。
■卒業生の個人情報312名分がネットに流出~岩手盛岡南高
岩手県立盛岡南高(菅野初校長)で、卒業生312名分の個人情報がWinnyのウイルス感染によりインターネット上に流出していることがわかった。同校長らが20日、会見で明らかにした。
流出したのは2003年度卒業生312名分の個人名、受験した大学や企業名とその合否など。同校によると、流出の原因は2004年4月、同校の公式ホームページに卒業生の進路内訳を掲載した際、誤って卒業生の個人情報も掲載。卒業生からの指摘で同月下旬に削除したが、個人情報は約3週間にわたって掲載された。その間にホームページにアクセスしてデータをダウンロードした人がいて、そのPCがウイルスに感染していたことから、インターネット上に情報が流出した。
同校は20日、全校集会を開き生徒に謝罪し、在校生保護者や該当卒業生と保護者に対しては書面で謝罪を行なう。同校長は、再発防止に万全を期すとしている。
■鹿児島県、個人情報を流出させた職員を懲戒処分~流出総数はのべ2,906名分
鹿児島県は、県職員のPCから県民の個人情報を含む業務情報が流出した問題で、該当職員の停職2か月の懲戒処分を行なった。同職員は農林水産部の業務関連情報を私用PCにコピーして持ち出し、同PCにインストールされていたWinnyを介して情報を外部へ流出させた。流出したファイル660件のうち個人情報を含むものは97件あり、この中にのべ2,906名分の県民の個人情報が含まれていた。
同県は、業務情報を私用PCに複製して持ち出すことや、Winnyなどファイル交換ソフトの使用を禁止している。県では、9日にもファイル共有ソフト「Share」(シェア)のウイルス感染によりプライベートな情報を流出させた別の職員に対して減給処分を発表したばかりだった。
・職員の私物のパソコンからの情報流出について[PDF](鹿児島県)
http://www.pref.kagoshima.jp/__filemst__/15862/press190615.pdf
・職員の私物のパソコンからの情報流出に伴う処分について(農政課)(鹿児島県)
http://www.pref.kagoshima.jp/kensei/kiko/jinji/shobun15.html
(2007/06/22 ネットセキュリティニュース)
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・[Winny]流出:警視庁から資料1万件、鹿児島県から県民情報、楽天市場からも(2007/06/14)