警察庁がまとめた2007年上半期の「少年非行等の概要」で、児童ポルノ事件の送致件数が前年同期比18.8%増の266件にのぼり、このうち36%にあたる96件でインターネットが使われていたことが分かった。また、児童買春事件の送致件数は718件(前年同期比16.1%減)で、このうち約半数の357件が出会い系サイト絡みとなっている。被害を受けた児童の数は、児童ポルノ事件で122人(同87.7%増)、児童買春事件で651人(同8.7%減)だった。
同概要であげられている福祉犯(少年の福祉を害する犯罪)事件の事例のうち、インターネットが絡んだものとしては、高校教諭(33歳)が出会い系サイトを利用して知り合った女子中学生(14歳)に現金を渡してわいせつな行為をした児童買春事件(島根)、大工の男(26歳)が掲示板サイトで知り合った医師(60歳)に自ら撮影した男子児童の裸体入りDVD-ROMを提供した児童ポルノ提供事件(神奈川)、暴力団組員(28歳)が出会い系サイトで募集した女子高校生(15歳)を風俗店で働かせていた児童福祉法違反事件(千葉)などがある。
また、インターネットを使った非行事例としては、女子中学生(15歳)がインターネットの掲示板にDVDを売ると嘘の書き込みをし、2名からそれぞれ2万円の定額小為替を騙し取った詐欺事件(香川)、男子高校生(16歳)が携帯電話を利用して県立高校の掲示板に生徒や教職員の大量殺人を行うと書き込み、学校行事等を中止させた殺害予告事件(滋賀)があげられている。
(2007/08/16 ネットセキュリティニュース)
■少年非行等の概要(平成19年上半期)[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen3/syounen190808.pdf