宮崎県警生活安全企画課、生活環境課と都城署は25日、権利者に無断で複製したコンピュータソフトを販売したとして、宮崎県宮崎市の健康食品卸売り販売業の男(51歳)を
著作権法違反の疑いで逮捕、26日に送検した。
県警の調べでは、容疑者は今年5月30日頃、ジャストシステムの「一太郎2006」とメガソフトの「3Dマイホームデザイナー2006」を無断で複製したCD-Rを、各3000円で販売した疑い。容疑者の自宅などからは、パソコン7台と海賊版のマスターC-DR約230枚が押収されており、生活費を稼ぐためやっていたと供述しているという。一般からの情報提供を受けた県警が、ACCSを通じて著作権者に連絡。県警では身分を隠して実際に購入する、おとり捜査の一種である「買い受け捜査」を行い摘発した。
編集部の調べでは、容疑者は「FUSION-NET SYSTEM」と名乗り、2006年からホームページの一角に、100種類以上の海賊版ソフトウェアのリストを掲載。「VL版ソフト」と称して、1800円から3万円で販売していた。容疑者のサイトでは、「VolumeLisenceSoftは、既に登録済みのSoftです、従って購入者が新たに登録は出来ません」「商品のパッケージ内容は、ソフト及びシリアルのみとなります。説明書等はございませんのでご了承下さい」などと虚偽の説明をしていた。
VL(Volume Lisence)は、企業などの大量購入向けに用意された販売形態で、1本のソフトウェアに対し、使用する台数分の使用権(ライセンス)を割引価格で提供する制度のことを指す。最小でも5ライセンス程度からの一括購入、または、購入済みの製品に対する追加ライセンスの購入を前提としており、一括購入時にはパッケージ版相当の製品1本分に台数分のライセンスが提供される。ライセンスの追加購入時には、ライセンスのみが提供される。VL版と称して1本単位で激安価格のソフトウェアが売られていたら、それは海賊版だと思って間違いない。
(2008/09/30 インターネットセキュリティニュース)
■ 自作のWebサイトで海賊版を販売、男性を逮捕(ACCS)
【参考:ソフトウェアの販売形態】
・パッケージ版:店頭などで販売されている梱包された製品
・ダウンロード版:ネットでダウンロード販売されている製品
・アカデミック版:学生や教員向けに割引価格で提供される製品
・アップグレード版:旧製品のユーザー向けに割引価格で提供される製品
・優待販売版:対象製品のユーザー向けに割引価格で提供される製品
・VL(Volume Lisence)版:一括購入者向けに割引価格で提供される製品
・OEM(Original Equipment Manufacturer)版:メーカー向けに提供されるプリインストールやバンドル用の製品
・DSP(Delivery Service Partner)版:販売代理店向けに提供されるプリインストールやバンドル用の製品