総務省と消費者庁は15日、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(以下特定電子メール法)に反し、受信者の同意を得ずに、出会い系サイトを広告宣伝するメールを送信していた広告研究所(東京都世田谷区)に対し、同法を順守するよう措置命令を行った。同法にもとづく措置命令は7日に続いて今月で2件目。
同省庁の発表によると、措置命令の対象となった広告研究所は、少なくとも昨年7月頃から今年2月頃まで、出会い系サイト「カラット~Carat~」、および「ロメオ~Romeo~」の広告宣伝メールを、同意を得ていない個人の携帯電話などに送信していた。これは同法第3条第1項の規定に反する。
迷惑メール相談センター(日本データ通信協会)には、「カラット~Carat~」については432人からのべ4686件、「ロメオ~Romeo~」については348人からのべ6184件の相談が寄せられたという。
今回の行政処分は、同法第3条第1項の規定を遵守するようにという措置命令だ。従わなかった場合は、1年以上の懲役または100万円以下の罰金(法人の場合は3000万円以下の罰金)が科せられる。
【特定電子メール法について】
特定電子メールとは、広告宣伝として送信する電子メールのこと。消費者の同意を得ずに広告宣伝を目的とした電子メールを送りつけてくる、いわゆる迷惑メールが社会問題となり、それを取り締まる法律として2002年に特定電子メール法が施行された。
受信者の同意を得ない広告宣伝メールには、件名に「未承諾広告※」と表示すること、さらに送信者名と受信拒否を受け付けるメールアドレスを表示し、受信拒否の通知をした者に対して再送信を禁止するといったことなどが義務づけられている。だが、拒否通知を送るとかえって迷惑メールが増加するなど、実効性に問題があった。そのため同法は20080年の改正で「オプトイン規制」を導入し、特定電子メールを送信することが認められるのは原則としてあらかじめ受信に同意した相手のみと、第3条第1項で規定した。
(2010/04/19 ネットセキュリティニュース)
■株式会社広告研究所に対する 特定電子メール法違反に係る措置命令の実施[PDF](消費庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100415premiums1.pdf
■株式会社広告研究所に対する特定電子メール法違反に係る措置命令の実施(総務省)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban08_000037.html
■特定電子メール法違反者に関する行政処分について(迷惑メール相談センター)
http://www.dekyo.or.jp/soudan/ihan/