国民生活センターは先月26日、インターネットを通じた「保証人紹介ビジネス」のトラブルが増加傾向にあると発表、注意を喚起した。
「保証人紹介ビジネス」とは、家を借りるときや就職するとき、借金するときなど、保証人が必要とされるときに、自分で保証人を探すことができない人に保証人を紹介し、その手数料等を得ることを目的とするビジネス。同センターによると、この保証人紹介ビジネスのトラブルに関する相談は、2004年度から2009年度の6年間で827件寄せられた。2009年度の相談件数は209件で、前年度(108件)に比べ約2倍となっている。
保証人を紹介する紹介業者は、保証人が必要な人同士を相互に保証人として紹介したり、債務は紹介業者が負担するとうたって保証人として名義を貸してくれる消費者を募集し、報酬として一定の名義登録料を支払い、その名義登録した消費者を保証人として紹介するなどしている。しかし、インターネットを通じて紹介業者に申込みをしたところ、「料金を振り込んだのに保証人を紹介されなかった」「料金を振り込んだ後キャンセルを申し出たが拒否された」といったトラブルが増加。また、保証人として名前を貸せば報酬を得られるということで名義を登録したところ、多額の債務を負わされてしまったというトラブルも発生している。
事例として、「インターネットで見つけた紹介業者に保証人として登録し、アパート賃貸契約の賃借人の保証人になっている。賃借人が家賃滞納のまま行方不明になり、保証人としての負担を迫られている。紹介会社に支払いを求めるが、何かと理由をつけて被保証人の債務を負担してくれない」という千葉県の30代女性、「インターネットで知った紹介業者の紹介で借金や賃貸保証サービスの保証人になった。賃貸住宅の保証なら家賃の数十パーセント、金融保証なら5パーセントの保証料金がもらえる。他県の人の300万円の金融保証の保証人を引き受けたら、債務者が支払えなくなり、保証人である自分に全額の請求をされた」という愛知県の30代男性の例などが紹介されている。
同センターは、このビジネスについて「契約通りに履行されない」「個人情報が悪用されるおそれがある」「他人の債務を負担させられる」などの問題点があると指摘。安易に保証人紹介業者へのインターネット登録をしないこと、金銭等を請求されても根拠のない請求には絶対に応じないこと、また報酬が得られるという誘いにひかれて保証人として名義登録することは絶対にしないように呼びかけている。
そのうえで同センターは、保証人不在のため契約ができず困っている場合は、最寄の行政窓口に相談してみるようにアドバイスしている。
(2010/06/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・借金をするとき、家を借りるとき、就職するとき… 保証人紹介ビジネスのトラブルにご注意!
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100526_2.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100526_2.pdf