国民生活センターは9日、光回線とテレビをつないで映像を視聴できるサービスに関する苦情が増加していると発表した。同センターによると、2005年度以降に寄せられた映像配信サービスに関する相談は1829件。2009年度の相談件数は1004件で、2008年度(323件)の3倍以上となっている。
苦情の多くは、「説明を聞いて無料だと思い、光回線とテレビをつなぐ専用端末の送付を了承したところ、無料期間終了後に何の連絡もなく料金が発生していた」「無料と言われたから了承したが端末代金が引き落としされていた」など、販売方法に関するもの。1829件のうち、勧誘時に「無料」や「お試し」と勧誘されて契約したケースが7割を占めている。
「有料だと気づいたときにはクーリング・オフ期間を過ぎていた」「問合せ窓口が混雑しているためサポートや解約の申し出ができない」といったケースもあるという。また、同センターでは6件の事例を紹介しているが、すべて電話で勧誘を受けて申し込みを行っている。
同センターでは問題点として、「無料」「お試し」を強調したセールストークのために消費者に契約を結んだ認識がなかったり、「キャッシュバック」などで本来いくら費用がかかり、特典としていくら割引になるのか分かりにくくなっていることを指摘。消費者に対し、無料期間の特典があってももともと有料サービスなので、契約するかどうか必要性をよく考えること、すぐに契約せずにサービス内容や費用について詳しく確認すること、契約するかどうか決めていない段階でクレジットカード番号等を安易に伝えないこと、業者から送られてきた書類に必ず目を通すことなどをアドバイスしている。
また同センターは、業界団体の電気通信事業者協会とテレコムサービス協会に対し、勧誘時に、有料契約に一定期間の「無料」サービスが設定されていることが分かるような説明を行なうこと、無料期間内に解約した場合の費用負担の有無と解約手続きについて分かりやすく説明することなどを要望した。
同センターでは1月、「無料」「お試し」を強調しつつ、自動的に有料になる宅配ビデオレンタルサービスについても注意を呼びかけている。
(2010/06/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・ネット回線とテレビをつないで視聴する映像配信サービスに係る消費者トラブル
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100609_2.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100609_2.pdf
・「無料」を強調しながらも有料期間に自動移行する宅配ビデオレンタルのトラブル
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20100120_1.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20100120_1.pdf