パナソニックは26日、同社のICレコーダーの一部で、内蔵メモリーにウイルスが混入していたと発表した。
発表によると、ウイルスが混入したのは、今年9月以降に販売した「RR-US571」と「RR-XS600」の2機種で、以下の製造番号のもの。8月以前のこれら製品と、外箱や電池蓋裏面に識別用の緑色●シールが貼られているものは問題はないという。
※RR-US571(シルバー)
MK0SB001721~MK0SB002200
MK0JB001001~MK0JB002600
MK0KB001001~MK0KB001400
※RR-US571(レッド)
MK0SB001421~MK0SB001600
MK0JB001001~MK0JB001600
※RR-XS600(ブラック)
MK0JA001001~MK0JA002090
MK0KA001001~MK0KA001600
混入していたウイルスは、「Rjump」などの名で呼ばれ、USBメモリーなどのリムーバブルディスクや共有フォルダを介して感染を広げるワームである。Windowsのオートラン機能が有効になっている場合には、該当するICレコーダーをパソコンに接続するだけでウイルスに感染するおそれがある。
セキュリティベンダーや検体解析サイトの報告によれば、Rjumpには、感染活動しか行わないタイプと、外部から悪質なプログラムをダウンロードしてくるタイプとがあるようだ。同社は、「感染しても危害を及ぼさないタイプ」と説明しており、検証したうえでの報告であれば、実害のほとんどない前者のタイプなのかも知れない。後者のタイプの場合には、攻撃者が用意したサーバーが閉鎖されていれば実害はないが、稼働中の場合には何がインストールされるか分からない。
■Windows Vista/XPはオートラン機能に制限を
Windowsには、CDやUSBメモリーなどを接続したり、ドライブアイコンをダブルクリックした際に、自動的に演奏を開始したりプログラムを自動実行するオートラン(AutoRun:自動実行、自動演奏)という機能が用意されている。アプリケーションのインストール時などの利便性を高める機能だが、USBメモリーなどを介して感染する、いわゆるUSBウイルスにこの機能が悪用されることも多い。このため、Windows 7からは、オートランが機能するドライブが CD/DVDドライブのみに制限された。
マイクロソフトからは、オートランをWindows 7と同じようにCD/DVDドライブのみに制限する、Windows Vista/XP向けの更新プログラムが提供されている(下記サポート技術情報を参照)。これを適用しておくと、ウイルスが混入したUSB機器を接続するだけで、ウイルスに感染してしまう危険を避けることができる。
(2010/11/29 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・ICレコーダー(RR-US571/RR-XS600)ご愛用のお客様にお詫びとお願い(パナソニック)
http://panasonic.jp/support/audio/info/ic_rec.html
・サポート技術情報(971029):Windowsの自動再生機能の更新プログラム(マイクロソフト)
http://support.microsoft.com/kb/971029