マイクロソフトが今月11日に修正したばかりのMedia Playerの脆弱性を悪用し、閲覧者のパソコンをウイルスに感染させる、ドライブバイダウンロード攻撃が行われているとして、セキュリティベンダーなどが注意を呼び掛けている。セキュリティ更新プログラム(パッチ)を適用していない場合には、Webサイトの閲覧中に悪質なプログラムが勝手にインストールされてしまう可能性がある。
悪用が確認されたのは、最も深刻な「緊急」の脆弱性として公開された「MS12-004」に含まれている、電子楽器の演奏情報を記録したMIDIファイルの取扱いに関する問題(CVE-2012-0003)。細工されたMIDIファイルを再生するとバッファオーバーフローが発生し、任意のコードが実行されるおそれがある。
この脆弱性を悪用した攻撃が、20日頃から韓国のサーバーを使って行われている。今月のパッチを適用していないパソコンが、この攻撃サイトに誘導されてしまうと攻撃が成立し、他の悪質なプログラムを呼び込むダウンローダーを実行してしまう。トレンドマイクロのブログによると、実行されたダウンローダーは、感染したウイルスの隠ぺいなどに使うルートキットや、オンラインゲームのアカウントを盗み取るスパイウェアをシステムにインストールするという。
Windowsの自動更新などで今月のパッチが適用済みならば、脆弱性攻撃は成功しないので、知らない間に勝手に悪質なプログラムがインストールされる心配はない。まだパッチを適用されていない方は、至急「Windows Update」などでパッチを適用し、攻撃を防いでただきたい。
(2012/01/30 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・Windows Media Player の脆弱性について(MS12-004)(CVE-2012-0003)(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20120127-wmplayer.html
・Malware Leveraging MIDI Remote Code Execution Vulnerability Found[英文](TrendLabs Malware Blog)
http://blog.trendmicro.com/malware-leveraging-midi-remote-code-execution-vulnerability-found/
・CVE-2012-0003 Exploited in the Wild[英文](IBM Internet Security Systems)
http://blogs.iss.net/archive/CVE_2012_0003_Exploi.html
・MIDI exploit in the wild[英文](Symantec)
http://www.symantec.com/connect/ja/blogs/midi-exploit-wild
・CVE-2012-0003 Exploit ITW[英文](Kaspersky)
http://www.securelist.com/en/blog/208193368/CVE_2012_0003_Exploit_ITW
・MS12-004 - 緊急 Windows Media の脆弱性により、リモートでコードが実行される (2636391)(マイクロソフト)
http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/bulletin/ms12-004
【ウイルス情報:トレンドマイクロ】
・TROJ_DLOAD.QYUA:ダウンローダー
http://about-threats.trendmicro.com/Malware.aspx?language=jp&name=TROJ_DLOAD.QYUA
・RTKT_MDIEXP.QYUA:ルートキット
http://about-threats.trendmicro.com/Malware.aspx?language=jp&name=RTKT_MDIEXP.QYUA
・TSPY_ONLING.KREA:スパイウェア
http://about-threats.trendmicro.com/Malware.aspx?language=jp&name=TSPY_ONLING.KREA