警察庁は13日、2012年上半期の出会い系サイト、コミュニティサイトに起因する事件の現状と対策について発表した。両サイトを合わせた事件の検挙件数は1047件、被害児童数は633名で、いずれも前年同期を下回った。15歳以下の被害児童数は計303名で、11歳以下の児童が被害にあう事件は計6件発生している。
発表によると、出会い系サイト起因の検挙件数は448件、コミュニティサイトは599件で、前者は前年同期に比べて49件(9.9%)減少、後者は127件(17.5%)減少している。犯罪被害にあった児童数は、出会い系サイトは124人、コミュニティサイトは509人で、同じく前年同期比で前者は9人(6.8%)、後者は37人(6.8%)減少している。
こうした減少傾向にある理由として、警察庁は出会い系サイトについては「禁止誘引違反者の検挙や無届サイトの取締り」、コミュニティサイトについては「事業者等に対するミニメール内容確認の推進や実効性のあるゾーニングの促進」等をあげている。
ゾーニングとは、サイト内で悪意のある大人を児童に近づけさせないシステムを指す。年齢などを偽って児童に近づくことを防止するには、携帯電話事業者がもつ契約者年齢情報の活用が有効で、一部の携帯電話事業者とコミュニティサイト事業者が年齢情報を活用したシステムを導入している。
被害の多い罪種は、出会い系サイトでは「児童買春」(59.7%)、コミュニティサイトでは「青少年保護育成条例違反(みだらな行為等)」(53.6%)が最も多い。また、15歳以下の被害児童数が出会い系サイトでは48人(38.7%)、コミュニティサイトでは255人(50.1%)で、後者では低年齢層の割合が高い。
同庁は今後の対策として、出会い系サイトについては引き続き「禁止誘引行為等の書き込み違反者に対する取締り」「悪質出会い系サイト事業者に対する取締り」等を強化していく。コミュニティサイト対策についても、ミニメール内容確認などサイト内監視体制の強化、フィルタリングやゾーニングの推進、EMA(一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)への情報提供によるサイトの認定監視を継続する。また、児童・保護者や学校関係者への広報と情報共有に努めるほか、「新たなコミニュケーションサービス」への対応も検討していくとしている。
(2012/09/20 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・平成24年上半期の出会い系サイト等に起因する事犯の現状と対策について[PDF]
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h24/pdf02-1.pdf