2011年度に全国の消費生活センターへ寄せられた相談のうち、最も多かったのはアダルト情報サイトに関する相談だった。パソコンや携帯電話のほか音楽プレーヤーやゲーム機、テレビなどからのアクセスでも発生しており、平均約10万円の被害にあっている。
国民生活センターが6日に発表したデータによると、アダルト情報サイトに関する相談の件数は、集計を始めた2009年度から2011年度まで年々増加し、2011年度には9万5545件に上った。これは、全相談件数(87万8598件)の10.9%を占めている。
相談の中で多かったのは、「有料の認識がないままサイトを進んだところ、料金の請求画面が表示されたが、支払わなければならないか」「個人情報が業者に伝わっているのではないか」などだった。「パソコンに請求画面が張り付いてしまった」という、ワンクリックウェアの被害に関する相談も多かった。
サイトへのアクセスに利用していた機器は、パソコン、スマートフォン、携帯電話だけではない。相談事例全体に占める割合は高くはないものの、携帯型音楽プレーヤー(290件)、ゲーム機(88件)、テレビ(8件)を利用していてトラブルに巻き込まれたという相談もあった。携帯音楽プレーヤーや、ゲーム機を利用していたケースでは、他の機器を使っていた場合と比べて、未成年者の割合が圧倒的に高いという特徴がある。
平均契約購入金額は約10万6000円だが、約7割で既支払金額が0円で、支払い前に相談をするケースが多かった。ただし、支払いをしてしまった場合の平均金額は、約13万2000円となっている。
同センターは消費者へのアドバイスとして、「無料と思っても料金を請求されることもあるので、安易にアクセスしたり、アプリをダウンロードしたりしないこと」、「子どもがネット接続できる機器を使う場合には、フィルタリングの設定をするなど、保護者が確認し注意すること」、「サイトを見ただけでは個人情報が相手に伝わっているわけではないので、相手に連絡をとらないこと」などを挙げている。
(2012/09/10 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・アダルト情報サイトの相談が2011年度の相談第1位に-インターネットにアクセスできる機器すべてに注意が必要-
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120906_1.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20120906_1.pdf
・PIO-NETにみる2011年度の消費生活相談-全国のデータから-[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20120906_2.pdf
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