MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)が小学生の子を持つ親の意識調査を行ったところ、過半数が子に携帯電話を持たせる必要を感じていた。GPSやフィルタリング、防犯ブザーなど安全面への期待が高い。一方、スマートフォンについては約8割が購入に消極的で、理由としては「まだ早い」「料金が高い」を挙げる人が多かった。
調査は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県在住の小学生の子どもを持つ20~59歳の親を対象に、今年1月25日から28日の4日間、インターネット調査で行われた(有効回答数552)。調査対象の親の子どもの携帯電話所有率は41.9%で、端末の内訳は「子ども向け携帯電話」20.3%、「フィーチャーフォン」16.7%、「スマートフォン」4.9%だった。
■携帯電話を必要と感じる理由は「安全・安心」
子どもに携帯電話を持たせる必要性を感じるかについては、「感じる(17.2%)」と「やや感じる(35.3%)」を合わせ、52.5%が必要性を感じている。必要を感じる理由は、「災害や事故の時など緊急時に連絡が取れるようにしたい(82.4%)」をトップに、「塾などの習い事の際に連絡が取れるようにしたい(60.0%)」、「防犯グッズとして使える(42.4%)」、「日常でいつでも連絡が取れるので安心(39.7%)」など、安全・安心を求める理由が多くを占めた。
これと連動するが、子どもに持たせる携帯電話で重視する機能としては、通話機能とメール機能を除くと、「GPS機能(46.8%)」、「フィルタリング機能(44.6%)」、「防犯ブザー機能(42.9%)」が40%台で並び、親の心配に応える機能が重視されている。
■携帯電話をもたせる不安と対策
子どもに携帯電話を持たせることへの不安を尋ねたところ、「ゲームなど、勉強の妨げになる機能が多い(48.6%)」、「有害な情報へアクセスできてしまう(47.2%)」、「月額の利用料金が高い(42.8%)」の3件が多く、「家族と関係ない人とも連絡が取れてしまう(35.5%)」、「時間を問わず、友人と連絡が取れてしまい、交友関係が把握できない(31.7%)」が続く。
こうした不安から、子どもの携帯電話利用に関する教育の必要性を感じ、「対策やルールを決めている」と回答した親は64.5%と多数にのぼるが、必要性を感じてはいるものの対策していない、実行していないという回答も約3割あった。では、どのような教育や対策を実行または考えているかについては、「制限のかかった端末を使っている(57.5%)」、「フィルタリングサービスを申し込んでいる(49.4%)」、「知らない番号や非通知の電話はとらない(44.3%)」、「勉強の妨げになるようなゲームアプリなどで遊ばない(34.5%)」、「チェーンメールや迷惑メールなどは開かない(31.6%)」、「身元がわかるようなことを不特定多数の人が見る場所に書かない(23.0%)」などが挙げられている。
■約2割はルール違反でペナルティの経験あり
子どもがこうしやルールを守らないためにペナルティを与えたことがあるという回答は18.6%あり、その理由は「携帯電話を触ってばかりで勉強をしなかった(48.6%)」が最も多くほぼ半数を占める。次いで「有料サービスを勝手に使用して多額の請求が来た(27.9%)」、「食事中にずっと携帯電話を触っていた(20.9%)」が続く。
10%以下になるが、「有害サイトへアクセスしていた(7.0%)」、「親からの電話を取らなかった。着信拒否にした(7.0%)」、「自分の知らない人と連絡を取り合うようになっていた(4.7%)」、「身元がわかるようなことを不特定多数の人が見る場所に書いていた(4.7%)」などという危い回答もあった。
なお、フィルタリングサービスについては、「知っているが活用していない」親が53.8%と半数を超え、元から設定されていた例と合わせ「活用している」は32.1%だった。
■スマホ購入に消極的な親は8割~「まだ早い」「料金が高い」
子どもにスマートフォンを購入したいと思うかどうかを尋ねる質問では、購入したくない(46.6%)、あまり購入したくない(33.2%)を合わせて約8割、購入したい(5.8%)、やや購入したい(14.5%)を合わせて2割という結果だった。
購入したい理由は「従来の携帯電話よりできることが多いから(54.5%)」が最も多く、「メディアリテラシーを伸ばしてほしい(40.2%)」、「勉強に使えるアプリが豊富(24.1%)」と続く。反対に、購入したくないと答えた親が挙げた理由は、「まだ持つには早い(68.9%)」、「利用料金が高い(61.1%)」が6割台で多く、「アプリが多く勉強の妨げになる(45.2%)」、「有害サイトなどにアクセスできる(41.6%)」という心配が4割台で続いた。
子どもにスマートフォンを買い与える条件を尋ねる質問では、「月額費用が従来の携帯電話と同等であること(47.3%)」、「有害なネット情報などアクセスが制限できる機能(40.2%)」、「アプリのダウンロードが制限できる機能(30.9%)」の3件が上位に挙げられている。費用と安全面の心配が解決されれば、子どもがスマートフォンをもつことへの抵抗は低くなりそうだ。
(2013/02/07 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・資料名:小学生の子を持つ親の携帯電話・スマートフォンに関する意識調査[PDF](MMD研究所)
http://mmd.up-date.ne.jp/