国民生活センターは21日、スマートフォンからアクセスしたアダルト情報サイトの相談が急増しているとして、注意を呼び掛けた。2013年度の相談件数は、昨年度同時期の3倍近くにのぼっている。「無料と思っていたのに料金請求画面が表示された」という訴えが多く、こうしたワンクリック請求は無視が最適の対処法であることを再確認しておきたい。
スマホからアクセスしたアダルト情報サイトに関する相談件数は、2013年度(2013年4月~5月13日まで)は1174件で、昨年度同時期の427件に比べ、3倍近い。相談内容は、「有料とは思わずクリックしたところ、料金請求画面が表示された」「個人情報が業者に伝わっていないか心配」などが多いという。公式マーケットで無料アプリをダウンロードしたのに、突然、料金を請求されたという相談も寄せられている。
ちなみに、2011年度、2012年度ともに、アダルト情報サイトに関する相談が最も多く、そのうちスマホからアクセスしたものは、2011年度は4234件、2012年度は1万2013件だった。スマホの普及に伴い、急速に増加しているのがわかる。
2012年度の1万2013件のうち196件はすでに支払いをしてしまったという相談で、平均金額は13万1384円だった。なぜ、支払ってしまうのか。同センターが相談事例として挙げている「支払ってしまった」ケースを見てみよう。
■相談事例:公式マーケットの無料アプリが「登録完了」→料金請求
スマホを初めて購入し、公式マーケットにある無料アプリ一覧から内容をよく確認せずにアプリをダウンロードした。「インストールしました」と表示され、アプリを開いたらアダルト情報サイトだった。「18 歳以上か」と表示され、画面に触れたら「登録完了」と表示された。怖くなり、画面にあった業者の電話番号に電話すると「払ってもらわないと困る」と言われ、怖くなって9万9800 円を振り込んだ。その後「脱会済み」と表示されないので再び電話すると「銀行の入金確認が取れ次第、脱会手続きしておく」と言われた。それ以降スマートフォンを触っていないが怖い。どうしたらよいか。(2013年3月受付、40代女性、給与生活者)
こうしたワンクリック請求には、「無視」で対処するのが一番であることを再確認しておきたい。ユーザー側から業者に電話したりメールをしたりしてはいけない。上記相談者は、慌てて業者に連絡したため、悪徳業者の指示に従うことになってしまった。無視を続けるのが不安な場合は、最寄りの消費生活センター、もしくは警察に連絡し、相談するとよい。
5月2日付の当通信でも紹介したが、警察のサイバー犯罪対策課は、「些細なことでもかまわないので、気軽に相談や情報提供をしてほしい」としている。同センターは、「画面に請求画面を張り付かせる行為」は犯罪の可能性もあるとの観点から、警察にも情報提供するよう勧めている。
下の【関連URL】に挙げたが、セキュリティ各社は、公式マーケット(Google Play)でワンクリック詐欺アプリが継続して確認されていることに注意を促している。うっかりダウンロードしてしまわないように、気を付けていただきたい。
(2013/05/22 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・スマートフォンからアクセスしたアダルト情報サイトの相談が急増!-“公式マーケット”でダウンロードした無料アプリからの請求も- (国民生活センター:2013/05/21)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130521_1.html
・スマホにおける新たなワンクリッ請求の手口気をつよう!(IPA:2013/05/02)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2013/documents/summary1305.pdf
・情報窃盗アプリのダウンロードを仕向ける Google Play 上の日本語ワンクリック詐欺(シマンテック:2013/05/17)
http://www.symantec.com/connect/ja/blogs/google-play-2
・スマートフォンの出会い系アプリを偽装した不審Webサイトを継続して確認(トレンドマイクロ:2013/05/09)
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/7203
・Google Play上のワンクリック詐欺アプリ、ユーザー情報も収集(マカフィー:2013/04/10)
http://www.mcafee.com/japan/security/mcafee_labs/blog/content.asp?id=1361