新年度が始まり、SNSを利用する人が増えるこの時期、SNSに関連した消費者トラブル相談が増えているとして、国民生活センターは利用上の注意を呼びかけている。
SNSに関連したトラブル相談は、2009年度以降増加を続けており、2013年には4571件の相談が寄せられた。とくに4月から6月にかけて、多くの相談が寄せられる傾向があるという。同センターは相談事例を「SNSに表示された広告がきっかけとなったトラブル」および「SNSの知人がきっかけとなったトラブル」の2種に分類し、それぞれ2件の具体例を紹介している。
■SNS内広告でトラブル--サンプルを注文したはずが「定期購入」に
SNSの広告をクリックしたところ、1回300円でダイエット用サプリメントのお試しができるとあり、2種類600円分を注文。連絡先やクレジットカード番号を入力して決済した。受注メールなどないまま外国から注文品が届き、数日後にまた荷物が届いた。カードの利用明細に、サプリメント代金600円以外に1万2000円と6000円の請求があり、定期購入になっていた。SNSサイトで調べても、購入した際のホームページを見つけられない。商品の発送伝票には外国の住所らしき記載はあるが、電話番号の記載がなく、連絡できない。(2014年2月、30代女性、香川県)
もう1つの事例は、化粧品サンプル400円の購入を申込んだところ、やはり定期購入にされてしまい、カード明細書にはサンプル品のほかに、約2万円の請求があったというもの(40代女性、東京都)。このケースも広告や注文時の画面を残しておらず、販売事業者のホームページが検索でヒットしない状態だ。
■SNSの知人をきっかけにトラブル--出会い系サイトに誘導され高額請求
スマホで利用しているSNSで「友達になって」と申請があり承認した男性から「違う方法で連絡を取りたい」とSNS内メッセージで誘われ、指定されたサイトに登録した。登録後に出会い系サイトだとわかった。男性から届いたメールが文字化けして読めず、「文字化けの解除に必要」と言われて正会員登録料をカード決済。その後も様々な理由を付けて料金を請求され、おかしいと思ってメールで返金を求めたが、返金できないと言われた。(2014年2月、30代女性、千葉県)
もう1つの事例は、SNSを通して同級生から連絡があり、誘われて同行したオフィスで、化粧品を販売するネットワークビジネスを勧誘されたというもの(20代女性、大阪府)。断ったが断りきれずに確認書や契約書を書かされ、やはり断りたいと悩んでいる。
■消費者へのアドバイス
同センターは、「SNSに表示される広告や、登録する情報の確認をする」「SNS上で知り合った相手の書き込み内容等を、全てうのみにしない」ように、消費者にアドバイスしている。とくに、SNSの広告については、広告からリンクされた先の通販サイト等の内容も確認すること、SNSに登録・掲載する情報についてよく確認・検討するよう注意を促している。また、トラブルにあった場合は、消費生活センターに相談するよう案内している。
(2014/05/07 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・SNSの思わぬ落とし穴にご注意!
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140424_1.html