全国の消費生活センターなどに寄せられる、アダルトサイトに関する相談が一向に減らない。特にネット利用の主要な手段となった、スマートフォンでのトラブルが増えている。
国民生活センターのまとめによると、全国の消費生活センターなどに寄せられたアダルトサイトに関する2014年度(2014年4月~2015年3月)の相談件数は、過去最多の10万6279件を記録した。うち44.7%にあたる4万7515件が、スマートフォンでのトラブルだった。
今年度に入っても状況は変わらず、7月31日時点で2万9287(前年同期:2万7937件)と、前年度を上回る数の相談が寄せられている。うちスマートフォンでのトラブルが、1万6321件(前年同期1万3112件)と著しく増加しており、全体の過半数(55.7%)を占めるに至っている。
アダルトサイトに関する主な相談は、閲覧中に突然登録され料金請求画面が出て来る、いわゆるワンクリック詐欺(ワンクリック請求)に関するもの。東京都消費生活総合センターの「東京くらしWEB」では、シャッター音や消えない請求画面で心理的な動揺を狙った手口や、児童がアクセスしてしまった最近の相談事例を紹介している。
■不安にさせる手口に騙されない
こうしたトラブルの多くは、Webサイトの閲覧中に起きている。この場合、シャッター音は音声ファイルを再生しているに過ぎない。ユーザーの確認なく、写真を撮られるようなことはない。消えない請求画面は、ブラウザが繰り返し表示し続けているだけのもの。ブラウザを終了し、閲覧履歴の消去などの方法で同じページを再表示しないようにすれば解決できる。詳しくは、末尾の<「ブラクラ型ワンクリック詐欺」出現~消えないポップアップの消し方>を参照していただきたい。
■相手に連絡しない
このほかにも、短い支払い期限を付け、取り立てや訴訟をちらつかせるなど、相手を焦らせたり、不安にさせたりする様々な手口が用いて、連絡させようとするのが詐欺師たちの狙いだ。連絡してきた人に金銭を支払わせるのが目的なので、絶対に相手に連絡してはいけない。中には、「誤登録の申告」や「脱会」など、ユーザーが飛びつきそうなボタンを用意しているところもあるが、これらも連絡させるための手口なのでクリックしてはいけない。黙ってページを閉じ、それ以上何もしないのが最善の対処だ。それだけでは不安という方は、最寄りの消費生活センターに相談していただきたい。
■子どもの端末には安全対策を
子どもがアクセスしてしまうケースには、標準やオプションで用意されているアクセス制限機能を利用する。Windowsの場合は「ファミリーセーフティ」、Macの場合は「ペアレンタルコントロール」と呼んでいる機能がそれだ。簡単な紹介は、下記<トピックス:「共有パソコン」のセキュリティ対策――家族との共有、公私の使い分けを安全に>を参照していただきたい。
スマートフォンは、使用している機種やキャリアによって若干異なる。各キャリアのページを参照していただきたい。代表的なゲーム機については、プレイステーション・オフィシャルサイトと任天堂の紹介ページに詳しい。
(2015/09/01 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:東京都消費生活総合センター】
・各種相談の件数や傾向(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/index.html
・アダルトサイトを見ていたら顔写真を撮られてしまった?(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/150826.html
・小学生の娘がアダルトサイトにアクセスしてしまった!(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/150812.html
<各社の子供向け安全対策>
・NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/anshin_mode/
・KDDI(au):Android
http://www.au.kddi.com/mobile/service/smartphone/safety/anshin-access/
・KDDI(au):iPhone
http://www.au.kddi.com/iphone/service/anshin/safety-access-for-ios/
・ソフトバンク
http://www.softbank.jp/mobile/service/sp_safety/
・プレイステーション・オフィシャルサイト
http://www.jp.playstation.com/psn/info/safety/
・任天堂
http://www.nintendo.co.jp/parents/