携帯電話やパソコンに届く迷惑メールやSMSに関する相談が増えているとして、国民生活センターは6日、相談事例やアドバイスをまとめ注意を呼びかけた。迷惑メールをきっかけに、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまうこともある。
全国の消費生活センター等に寄せられた迷惑メールやSMSに関する相談は、2014年度以降増え続けて続けており、2013年度の相談件数2万4244件から、3万4093件(2014年度)、4万2990件(2015年度)、4万5387件(2016年度)と、3年間で2倍近くに増加。本年度も、5月31日までに前年度同時期の相談件数3336件を上回る、6365件の相談が寄せられているという。50代、60代、70代以上といった中高齢者からの相談の割合が増えており、過半数を女性が占めるそうだ。
相談の内容は、「迷惑メールが1日に何十通も送られてきて困る」といった迷惑メールの受信に関するトラブルのほかに、迷惑メールをきっかけに他のトラブルになってしまったものがあり、以下のような代表的な事例を紹介している
<架空請求詐欺>
アマゾンなどの実在する事業者をかたり、「有料サイトの料金が未納になっており、このままでは訴訟になる」といった内容のSMSを送り、連絡してきた相手にプリペイド型の電子マネー(ギフトカード)を購入させ、カードの番号を伝えさせて騙し取る。
<当選金詐欺>
数百万円から数億円が当選したとのメールを送り、返信や誘導先のサイトにアクセスしてきた相手に、登録料や手数料などと称してプリペイド型の電子マネー(ギフトカード)を購入させ、カードの番号を伝えさせて騙し取る。
<出会い系のキャンペーン>
「アドレスが変わりました」などのメールを送り、返信したりリンク先にアクセスしてきたりした相手を、メールの送信などを行う度に料金の発生するポイント制の出会い系サイトに登録させる。
<フィッシング>
マイクロソフトなどの実在する事業者をかたるメールを送り、「オフィスソフトのプロダクトキーが不正利用された」などといって本物に見せかけた偽サイトにログインさせ、クレジットカード情報などを騙し取る。
同センターでは、心当たりのない不審なメールやSMSが届いても、記載されている連絡先へは決して連絡しないようにし、不安な場合には、事業者のホームページや正規の問い合わせ先で、そのようなメールやSMSを送っているかどうか確認するようアドバイスしている。
なお、同センターは「心当たりのない不審なメール・SMSが届いたら、開かずに削除することが前提となります」としているが、削除よりも効果的な操作を提供しているメールサービスがあるので確認しておくことをお勧めする。スマートフォン用のメールアプリやウェブメールでは、届いたメールやその差出人に対し、「ブロックする」「迷惑メールフォルダに移動する」「迷惑メールとして報告する」といった操作が行えることがある。これらは、たいてい迷惑メールを排除する機能と連動しているので、同じ差出人や同じような内容のメールが次回から受信箱に届かなくなるかも知れない。不審なメールは「削除」より「排除」が効果的だ。
(2017/07/07 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・心当たりのないメール・SMSには反応しないで!-“迷惑メール”に誘導されてトラブルに!?-(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20170706_1.html