情報処理推進機構(IPA)は3日、2006年1月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。その中で「今月の呼びかけ」として、パソコンの画面に警告画面が現れた場合、内容を確認してから「実行」や「実行する」ボタンをクリックするよう強く勧めている。警告を無視して「実行」などをクリックし、スパイウェアやウイルスなどをインストールされる被害が多発しているという。
IPAに寄せられた相談のうち、Webページのリンクや画像をクリックして、不正なプログラムをインストールされてしまうなどの事例を分析した結果、被害が発生する前に何らかの“警告画面”が表示されていることがわかった。IPAでは表示された警告を軽視したユーザーが被害にあっていると推測している。
画像や動画などのファイルを開く際に、「セキュリティの警告」という画面が出た場合は、ウイルスやスパイウェアが埋め込まれる疑いがある。また、通信操作をしていないのに「外部に接続しようとするプログラムファイルが見つかりました」と警告する画面が出た場合は、すでに進入しているウイルスやスパイウェアが、パソコン外に情報を流出させようとしている可能性がある。いずれの場合も、警告画面が出てきたときはファイルの種類やプログラム名などをチェックし、本当に安全だと確認できなければ「実行」や「接続を許可」をクリックしないよう警告している。
いわゆる「ワンクリック不正請求」に関する相談は、2005年7月の28件から12月には138件、今月は173件と激増している。このうち、不正なプログラムを埋め込まれたケースは9割を占めるとして、注意を喚起している。
(2006/02/06 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[1月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/02outline.html