Winny(ウィニー)のウイルス感染による重要情報の流出が続いている。2日には信用金庫から、手形決済処理に関するデータ1万件以上の大規模な流出が報告された。
■富士宮信用金庫:協力会社社員の私有PCが感染、顧客情報1万3,619名分流出
富士宮信用金庫(本店: 静岡県富士宮市)は2日、同金庫が手形管理システムの開発および保守業務を委託している日本電気(本社: 東京都港区)とNECソフト(本社:東京都江東区)の協力会社社員が個人で所有するパソコンから、手形決済処理に関するデータが流出したと発表した。同社員は同データをNECソフトから無断で持ち出し、私有パソコンに保存していたという。流出した資料は2003年10月時点の1万3,619件分の法人および個人の顧客情報で、法人の名称や個人の氏名、金融機関コードや支店コード、口座番号、手形金額が記載されていた。情報が流出した手形の決済はすでに完了しており、現時点で情報が不正に利用されたという事実は確認されていないという。また、流出した情報では資金移動はできないため、今後被害が発生する可能性は低いとしている。3社は共同で「富士宮信金・NEC情報事故共同対策本部」を設置、金融機関および個人からの本件に関する問い合わせを受け付けている。
・お客様情報の漏洩に関するお詫びとお知らせ(富士宮信用金庫)
http://www.miyashin.co.jp/topics/060302.htm
・お客様情報の流出について(日本電気)
http://www.nec.co.jp/press/ja/0603/0205.html
・お客様情報の流出について(NECソフト)
http://www.necsoft.co.jp/press/2006/060302.html
■ 姫路南郵便局:局員の私有PCが感染、簡易保険の顧客情報など流出
日本郵政公社は3日、姫路南郵便局(兵庫県姫路市)局員の私有パソコンから簡易保険の顧客情報などがWinnyを通じてインターネット上に流出したと発表した。流出したのは2003年から2004年6月ごろにかけて同局員が自宅のパソコンで作成した資料で、同局の訪問先企業リストや簡易保険に関する書類など法人38社分が記載されていたという。このほか、職員75人分などの個人別営業成績表も流出していた。内閣官房情報セキュリティセンターから同近畿支社への通報で発覚した。
・日本郵政公社
http://www.japanpost.jp/
■岡山県警倉敷署:巡査長の私有PCが感染、1,500人分の捜査資料が流出
岡山県警は3日、同県警倉敷署刑事1課の巡査長の私有パソコンから約1,500人分の個人情報を含む捜査資料が流出したと発表した。流出した資料は同巡査長が1999年9月頃から2002年10月頃までに作成したもので、倉敷署のほかに同巡査長が以前勤務していた新見署の情報も含まれるという。犯罪被害者の住所や氏名などの個人情報や、窃盗事件の捜査情報、また国会議員の後援会名簿の流出も確認されている。2日、外部からの通報で流出が発覚した。同巡査長は2002年10月ごろ、公務に使用していたパソコンが故障したため、資料を個人のパソコンに保存。同パソコンで今年1月頃からWinnyを使用したところウイルスに感染し、同年2月末頃にデータが流出したと見られる。県警では2004年6月から私用パソコンによるWinnyの使用を禁止しており、同巡査部長については内部規定違反と見て処分を検討している。
・岡山県警察
http://www.pref.okayama.jp/kenkei/kenkei.htm
(2006/03/06 ネットセキュリティニュース)