Winny(ウィニー)を通じた情報流出は、学校や福祉施設でも続発している。教師や職員が規定に反して個人情報を持ち出して私有パソコンにコピーし、流出元となるケースがほとんどである。
■愛媛県立松山工業高校:男性教諭の私有PCが感染、生徒10数名分の名簿流出
愛媛県教育委員会は20日、県立松山工業高校の生徒10数名分の同好会名簿がインターネット上に流出していたと発表した。ロボット関連の同好会の名簿で、生徒の住所や電話番号が記載されている。この他、昨年度の実力テストのデータも流出しているという。流出の指摘があり同教委が調査した結果、同校工業科の男性教諭の私有パソコンが流出元となった可能性が高いという。同教諭は、Winnyをインストールしている自宅パソコンで名簿の作成などをしていた。同教委は事実関係の確認を急ぐとともに、個人情報の取り扱いに関する指導の再徹底をはかるとしている。
・愛媛県教育委員会
http://ehime-c.esnet.ed.jp/
■愛媛の知的障害者授産施設:元職員の私有PCが感染、44名の個人情報流出
社会福祉法人・松山共生会が運営する知的障害者支援施設(愛媛県松山市)で、入居者の個人情報がインターネット上に流出していたことが14日、わかった。福祉施設ポッポ苑の利用者28名の個人情報で、情報内容は氏名、生年月日、電話番号、通院歴など。施設役員16名の氏名、住所なども流出している。今月8日に第三者から指摘を受けて同施設が調査したところ、以前勤務していた男性職員の私有パソコンが流出元であることが判明したという。
・愛媛県
http://www.pref.ehime.jp/
■新潟県立養護学校:担任教諭のPCが感染、生徒11名の個別指導資料流出
新潟県下越地方の県立養護学校の生徒11名分の氏名などが記された個別指導の資料がインターネット上に流出していたことが16日、明らかになった。資料には生徒氏名のほか、教科別の学習目標や生徒の集合写真等も含まれていた。担任の男性教諭(38歳)は、仕事が間に合わなかったために当該データを持ち帰り、自宅パソコンにコピーして作業したという。このパソコンがWinnyウイルスに感染し流出元となった。生徒の個人情報を校外に持ち出すことは県教育委員会が定めた個人情報流出防止規定に反しており、同教諭は減給1か月の懲戒処分を受けたという。
・新潟県庁:下越教育事務所
http://www.kyouikucho.nein.ed.jp/kaetsu-kyouji/index.htm
(2006/03/22 ネットセキュリティニュース)