九州電力の子会社で、発電所の建設や保守を請け負う西日本プラント工業(福岡市中央区)は12日、同社社員の個人パソコンがWinnyのウイルスに感染し、九州電力苅田火力発電所(福岡県苅田町)の点検作業手順書の一部がWinnyネットワークへ流出したと発表した。流出した手順書様式は作成途中のもので、重要な技術情報や個人情報などは含まれていない。
同社によると、当該社員は、2004年1月ごろに同社内のパソコンで個人用のUSBメモリーを使用したが、その際、同メモリーに業務情報が混入。自宅に持ち帰った同メモリーを経由して、個人パソコンから手順書様式が流出した。流出時期は、今年の1月25日以降だとみている。
同社については、今年4月にも、Winnyのウイルス感染によって原発資料等が流出していたことが明らかとなっており、この件で九州電力は、原子力安全・保安院から4月17日付けで厳重注意を受けている。西日本プラント工業は、前回の情報流出以降、ファイル交換ソフトや個人パソコン内の業務情報を削除するよう全社員に求めるなど、再発防止策を推進してきたが、今回の流出は、その対策前の今年1月に発生したものだった。
(2006/06/15 ネットセキュリティニュース)
■火力発電設備に関する点検作業手順書様式の情報流出について(西日本プラント工業)
http://www.npc21.jp/press/press_20060612.html
■ セキュリティ関連ニュース
西日本プラント工業:社員の私有PCが感染、九電の原発情報など流出(2006/04/18)