内閣府は7日、「情報化社会と青少年に関する意識調査」(*1)の結果を発表した。子どもの携帯電話の使用率は、中高生は平均で約8割に達し、携帯電話からのインターネット利用も7割以上という数字を示した。携帯電話を使ったネット犯罪が頻発するなか、子どもの携帯電話利用に対する保護者の心配も高まっている。
数字の詳細を見ると、携帯電話の使用率は小学生31%、中学生58%、高校生96%で、年齢が上がるにつれて急速に拡大している。インターネットの利用状況は、パソコンからの利用率は、小学生58%、中学生69%、高校生75%。携帯からは、小学生27%、中学生56%、高校生96%で、高校生になると携帯からのインターネット利用が目立って増えている。
こうした携帯インターネット普及のなか、子どもの有害サイトへのアクセスを心配する保護者は約4割に達しているが、その半面、フィルタリングサービスについては認知率、使用率ともに低いことがわかった。とくに携帯電話のフィルタリングサービスについては、知っていると答えた父親が32%、母親が17%で、使用率は小・中・高校生とも1%前後となっている。
出会い系サイトに関連する事件では、被害者が出会い系サイトにアクセスする手段として携帯電話を使うケースが約97%と、圧倒的に多いことがわかっている(*2)。携帯電話事業者各社では無料のフィルタリングサービスを提供しており、いっそうの活用が望まれる。
*1)今年3月、全国の10~29歳の男女5,000人(回答率49.4%)と、そのうち10~17歳の児童・生徒の保護者2,000人(同57.3%)を対象に、個別面接(一部郵送)で調査を行った。
*2)警察庁「平成18年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について」~「3 被害者(被害児童)の出会い系サイトへのアクセス手段」[PDF]
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h18/pdf33.pdf
(2007/07/10 ネットセキュリティニュース)
■第5回情報化社会と青少年に関する意識調査(内閣府)
・速報[PDF]
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/jouhou5/g.pdf
・青少年調査票[PDF]
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/jouhou5/y.pdf
・保護者調査票[PDF]
http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/jouhou5/h.pdf
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