お祈りパンダ(中国名:熊猫焼香)の名で知られるFujacksワームを作成し感染を広めたとして、中国でコンピュータシステム破壊罪に問われていた4人の被告に対し、湖北省の仙桃市人民法院(裁判所)は24日、懲役1~4年の実刑判決を言い渡した。
判決では、主犯のウイルス作者の男に4年、ウイルス制作に協力した男に1年、主犯と共にウェブサイトを使ってウイルスを拡散した男に2年6か月、拡散に協力した男に2年の実刑が言い渡されている。
作者の男は昨年10月にウイルスの開発に着手。12月初旬よりウイルスコードの販売を開始するとともに、他の2名の協力を得てウェブサイトを使いウイルスを拡散。感染者から盗み取ったゲームサイトのアカウントを転売し、逮捕される今年2月までに23万7,149元(約365万円)の利益を得ていた。
Fujacsは他のプログラムファイルに感染し、そのアイコンをすべて「お香を手に祈る二頭身のパンダ」の絵に変えてしまうことから、「お祈りパンダ」などと呼ばれている。リムーバブルメディアやネットワークドライブを介して感染を広げるほか、ウェブサイトの作成に使用するHTMLファイルなどにも、自身をダウンロードさせるコードを埋め込んで感染を広げ、中国国内だけでも数百万台のパソコンに被害を及ぼした。日本国内でも、昨年12月から情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)に報告が数多く寄せられるようになった。今年1月をピークに、その後もコンスタントに届け出が続いている。
(2007/09/28 ネットセキュリティニュース)
・中国法院ネットの記事[中文]
http://www.chinacourt.org/html/article/200709/24/266397.shtml
・Four years in a Chinese jail for virus writer who created joss-stick worm[英文](Sophos)
http://www.sophos.com/pressoffice/news/articles/2007/09/fujacks-jail.html
・W32/Fujacks author faces prison: Justice served or a slap on the wrist?[英文](McAfee Avert Labs Blog)
http://www.avertlabs.com/research/blog/index.php/2007/09/25/w32fujacks-author-faces-prison-justice-served-or-a-slap-on-the-wrist/
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