携帯電話、PHS事業者4社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム)および電気通信事業者協会は12日、有害サイトへのアクセス を制限する「フィルタリングサービス」の新しい取組みについて発表した。発表によると、これまで18歳未満の新規の契約者と利用者のみに行われていたフィ ルタリングサービスへの加入を、今年度中をめどに18歳未満の既存の契約者と利用者にも拡大する。また、現在閲覧不可となっているサイトのうち、モバイル コンテンツ審査運用監視機構(EMA)に認定されたサイトを閲覧可能にするという。
携帯電話、PHS事業者4社は昨年12月、総務省か らの要請に応え、親権者が不要と申し出ない限り未成年者の携帯にフィルタリングサービスを原則適用するとの方針を発表。今年2月から、新規契約者に対し て、契約者が18歳未満の場合と利用者が18歳未満と確認できた場合にフィルタリングサービスを適用してきた。
今回発表された取組みでは、18歳未満の既存の契約者と利用者に対しても同様にフィルタリングサービスが適用される。
NTTドコモは、10月下旬からフィルタリングサービス利用の意向確認を行い、来年1月中旬までに親権者から不要と申し出がない場合は、1月下旬よりサー
ビスを適用する。KDDIとソフトバンクモバイルは、10月より意向確認を行い、来年1月末までに不要の申し出がない場合は来年2月から順次サービスを適
用する。ウィルコムも具体的な期日は言及していないが、フィルタリングサービスの利用促進を目指すとしている。
また、各社ともに現在採用しているブラックリスト方式で閲覧不可になっているサイトのうち、EMAが認定したサイトについては閲覧可能にする方針だ。
NTTドコモは、EMAが認定したサイトを来年1月9日より閲覧可能にし、同機構の基準に基づいたカテゴリの見直しを行うという。ソフトバンクモバイルとウィルコムは来年1月から、KDDIは来年2月からEMAが認定したサイトを閲覧可能にする。
また、NTTドコモはアクセス制限の対象となるサイトやカテゴリをユーザーが個別に設定できる機能や、Webサイト自体へのアクセスを制限するサービスを 来年1月9日から提供する予定。KDDIもメールやインターネットの利用を制限したサービスを今年10月から提供し、ユーザーが個別のサイトやカテゴリ単 位で閲覧の禁止や許可を設定できるサービスの提供も予定している。
EMAは、今年8月に「GREE」や「MySpaceモバイル」など 5サイトを第1号の認定サイトとして発表し、さらに今日(9月16日)は「en高校生」と「モバゲータウン」を第2号の認定サイトとして発表した。EMA は掲示板やブログ、SNSなどのコミュニティサイトが健全に運用されているかどうかを「コミュニティサイト運用管理体制認定基準」に基づいて審査し認定を 行っている。しかし、いまのところ各コンテンツについての基準は設けていない。
18歳未満のユーザーの保護者はフィルタリングサービスだけに頼るのではなく、自らの目で健全なサイトやコンテンツかどうかを確かめる必要がありそうだ。
(2008/09/16 インターネット・セキュリティニュース)
■~有害情報から子どもを守る!~有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の更なる普及促進に向けた取り組みについて(電気通信事業者協会)
http://www.tca.or.jp/japan/news/080912.html
■アクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の普及促進に向けた取組みの強化および機能拡充について(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080912_01.html
■青少年のお客さまに安心・安全に携帯電話をご利用いただくための取り組みについて(KDDI)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/0912b/
■フィルタリングサービス普及に向けた取り組みについて(ソフトバンクモバイル)
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20080912_01/index.html
■有害サイトアクセス制限サービス(フィルタリングサービス)の更なる普及促進に向けた取り組みについて(ウィルコム)
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/09/12/index_01.html
■モバイルコンテンツ審査運用監視機構(EMA)
http://ema.or.jp/ema.html