国民生活センターは9日、共同購入型クーポンサイトに関する相談が増えているとして、注意を呼びかけた。年初に話題になった、おせち騒動(※1)も、この共同購入型クーポンサイト利用で起きたもので、消費者庁は販売会社に行政処分を下す方針という。
■「共同購入型クーポンサイト」とは
共同購入型クーポンサイトでは、決められた時間内に一定の人数がクーポンの購入申し込みをすると、取引が成立する。クーポンが発行され、購入者は通常より安い料金で商品やサービスの提供を受けることができる。実際に商品やサービスを受け取る前に、クーポン購入代金として料金を前払いする仕組みだ。決済には、クレジットカードや電子マネーが使用される。購入申込者が少ないと取引は不成立となり、クーポンの代金が引き落とされることはない。
■「広告写真と違う」「利用期限内に予約が取れない」
こうした共同購入型クーポンサイトは、国内では2010年4月に初めて登場。以降、急激に増加した。国民生活センターには、2010年10月頃から、「クーポンを購入して食事に行ったところ、広告に出ていた写真と実際の料理では量や質が明らかに違っていた」「使用期限のあるエステのクーポン券を購入したが、予約を取ろうとしたところ、期限内はすでに予約がいっぱいだと断られた。クーポン購入サイトにも連絡したが返信がない」などという相談が数十件寄せられているという。
同センターでは、クーポンは返品できないことが多いと指摘。クーポンを購入する際は、サイトの利用条件等をよく確認して、利用期限にも留意の上、慎重にと呼びかけている。
■購入者の苦情が殺到した「おせち騒動」(※1)
豪華なおせち料理を格安で購入できたと喜んでいたら、届いたのは広告写真とは大きく異なる貧弱なものだった。--正月早々、購入者の怒りの声と比較写真がネットに出回り、マスメディアも取り上げた「おせち騒動」を憶えている方も多いだろう。この「バードカフェ謹製おせち」は、グルーポン・ジャパン(本社:東京都渋谷区)運営の「GROUPON」を通じ、外食文化研究所(横浜市瀬谷区)が販売したもの。消費者庁は販売会社に対し、食材や価格について不当な表示を行っていたとして、景品表示法違反(優良誤認など)で行政処分を下す方針を固めている。
同庁の調査によると、同社は、サイト上にキャビアと表示しながらランプフィッシュの卵を、鹿児島産黒豚と表示しながら米国産黒豚を使用するなどしていたほか、販売実績がないにもかかわらず通常価格を「2万1000円」と設定して、半額での販売をうたっていたという。
共同購入型クーポンサイトでの不当表示は、ほかにも起きている。「品品プレミアムモール」を運営するアライドアーキテクツ(東京都渋谷区)は1月18日、同モールで「神戸・香記」(運営者:レイズヒル、神戸市中央区)が12月から1月にかけて8回にわたり販売した水餃子について、サイト上には「国産を中心とした豚肉を使用」と表示されていたが、実際にはすべて中国産豚肉が使用されていたと公表した。購入者には、代金が返金される。
(2011/02/17 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・ご存じですか?共同購入型クーポンサイトに関するトラブル(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110209_1.html
・報告書本分[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110209_1.html
・バードカフェ(横浜)「謹製おせち」に関するご報告(GROUPON)
http://info.groupon.jp/topics/20110129-553.html
・バードカフェ「謹製おせち」について重ねてのお詫びとご報告(外食文化研究所)
http://www.gaishokubunka.com/
・神戸・香記「本格水餃子」についてのお詫びとご報告(品品プレミアムモール)
http://snjn.jp/info_detail/allied?q=32