コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は22日、2012年度下半期の著作権侵害対策支援の活動状況について取りまとめ、発表した。ファイル共有ソフトの「Share」や「WinMX」を悪用したゲームソフトなどの無許諾アップロード、ネットオークションを悪用した海賊版販売など26件が、当該期間に刑事摘発された。
刑事摘発された件数は、2010年度同期24件、2011年度同期44件、2012年度同期26件と推移している。今期26件中のうち17件がファイル共有ソフトによる無許諾アップロードで、海賊版販売が6件、ストレージサーバーの悪用2件、違法配信1件だった。
■ファイル共有ソフトを悪用した無許諾アップロード
刑事摘発された17件の内訳は「Share」11件、「WinMX」3件、「Perfect Dark」2件、「Cabos」1件で、Share以外は前年度同期には摘発されていない。悪用されるファイル共有ソフトの種類が増加していることがうかがえる。
WinMXを使った事件では、東京都の会社員男性(41歳) 、静岡県のアルバイト男性(32歳)、広島市の会社員男性(25歳)の3名が逮捕されている。WinMXを通じてゲームソフトなど約1500ファイルをアップロードし、不特定多数に送信できるようにしていた疑いがもたれている。Cabosを使った事件では、東京都の会社員男性(45歳)が逮捕された。約3年前から使い始めたCabosを通じ、英語教材全48巻をアップロードし、不特定多数に送信できるようにしていたという。逮捕容疑はいずれも著作権法違反(公衆送信権侵害)で、彼らは容疑を認めている。動機については、「アップロードすると、自分が欲しいファイルがダウンロードしやすくなる」などと供述しているという。
■ネットオークションを悪用した海賊版販売
海賊版販売では著作物そのものの複製に加え、「無許諾キャラクターグッズ」が摘発された。人気アイドルの写真を無断複製した抱き枕カバーを販売した栃木県の会社員男性(31歳)、タレント写真を文字盤に複製した壁掛け時計を販売した京都市の会社員男性(42歳)が逮捕されている。逮捕容疑はいずれも著作権法違反(海賊版の頒布)で、ネットオークションを利用して販売されていた。
同協会は、こうしたインターネットを悪用したサイバー犯罪に関するイベントを、捜査機関と共同で各地で開催している。一般市民に実態を知ってもらい、知的財産権の保護を考えるきっかけ作りにしてほしいとしている。
(2013/05/24 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・平成24年度下半期の著作権侵害対策支援の状況について(コンピュータソフトウェア著作権協会)
http://www2.accsjp.or.jp/activities/2013/actives109.php