Windwosの脆弱性を突く実証コードが相次いでインターネット上に公開され、セキュリティ関連機関や企業が警戒を呼びかけている。
28日に公開が判明したのは、マイクロソフトが10月のセキュリティ更新プログラムで公開した「MS05-051」に含まれるMSDTC(Microsoft Distributed Transaction Coordinator)の脆弱性を狙うもの。公開されたのは外部から攻撃してサービス拒否(DoS:Denial of Service)攻撃を起こすコードだが、同脆弱性を悪用されるとコードの実行や特権昇格のおそれがある。
影響を受けるのは、Windows 2000/XP/Server 2003。XP SP2とServer 2003 SP1には、この脆弱性は無い。
29日には、今月のセキュリティ更新プログラムで公開した「MS05-053」に含まれる、Windowsメタファイルの脆弱性を狙うコードの存在も明らかになった。公開されたコードは、表示するとCPU負荷が100%になる画像ファイルを生成するサンプルだが、同脆弱性を悪用されるとコードが実行されるおそれがある。Windowsメタファイルというのは、画像ファイルの形式のひとつなので、細工された画像をブラウザやメールソフトなどで表示するだけで、悪意のあるコードが実行されてしまうことになる。
影響を受けるのは、Windows 2000/XP/Server 2003。XP SP2とServer 2003 SP1には、この脆弱性はない。
いずれの脆弱性も、マイクロソフトが最も深刻な「緊急」としていたもの。コードの公開で悪用の危険がさらに高まっており、セキュリティ機関やベンダー各社は早急にパッチを適用するよう警告している。
(2005/11/30 ネットセキュリティニュース)
■Microsoft Update
http://windowsupdate.microsoft.com/
■マイクロソフトのセキュリティ情報
・MSDTC および COM+ の脆弱性により、リモートでコードが実行される (902400) (MS05-051)
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/Bulletin/MS05-051.mspx
・Graphics Rendering Engine の脆弱性によりコードが実行される可能性がある (896424) (MS05-053)
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/bulletin/ms05-053.mspx
■セキュリティ関連ニュース
・マイクロソフト、10月度の月例セキュリティパッチを公開(2005/10/12)
・マイクロソフト、11月度の月例セキュリティパッチを公開(2005/11/09)
・公開されたばかりのWindowsの脆弱性を突くプログラム出回る(2005/10/17)