出会い系サイトやメル友募集サイト、アイドルの掲示板などで知り合った相手に裸の写真を送ってしまう少女たちが被害者となる事件が頻発している。相手を信用し軽い気持ちで送ってしまった結果、「写真をばらまく」と脅されてさらに何枚も写真を要求されたり、現金を脅し取られたり、わいせつな行為をされたケースもある。以下、今年3月以降の国内での事例をまとめた。
■2006/11/05(山形県警捜査1課と米沢署)
携帯電話の出会い系サイトで知り合った同県の中学2年の少女(14歳)を、「会わなければ裸の写真をばらまく」などと脅したとして、同県南陽市立中学校教諭(38歳)を脅迫の疑いで逮捕。男は、少女に携帯電話のメールで裸の写真を送らせていた。
■2006/11/01(警視庁少年事件課と綾瀬署)
出会い系サイトで知り合った都内の中学3年の少女(14歳)に、わいせつな行為をしたとして、千葉県山武市の私立大学1年生の少年(19歳)を強制わいせつ致傷の疑いで逮捕。少年は「イケメンサイト」の美少年写真を自分と偽り、少女に裸の写真を要求。半裸の写真を送らせたうえで「写真をばらまく」などとと脅迫し、少女を自宅に連れ込んでわいせつな行為をし軽症を負わせた。
■2006/10/05(愛媛県警少年課と西条西署)
愛媛県内の中学生の少女(14歳)に携帯電話のメールで裸の写真を送らせ、受け取った写真を携帯電話用の無料画像サイトに掲載したとして、さいたま市南区の会社員の男を児童買春・児童ポルノ禁止法違反と強要の疑いで追送検。男は、携帯電話のメル友募集サイトに顔写真を掲載していた少女に、「顔写真と合成したわいせつ画像をばらまく」などと脅迫し裸の写真を送らせていた。
■2006/09/25(長野県警駒ケ根署)
出会い系サイトで知り合った同県の女子高生(17歳)に「裸の写真をばらまく」などと脅迫し、携帯電話で裸の写真を撮影させ送らせたとして、同県喬木村の会社員の男(32歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反と強要の疑いで逮捕。
■2006/08/10(富山県警富山南署)
女性を装い、携帯電話の女性専用サイトで知り合った富山県の中学2年の少女(13歳)から現金5万円を脅し取ったとして、山口県下関市の無職の少年(18歳)を恐喝の疑いで逮捕。少年は、男であることを知らせた上で少女に携帯電話のメールで裸の写真を送らせ、「写真をばらまく」などと脅迫し現金を送金させた。
■2006/07/13(岡山県警少年課と倉敷署)
女子中学生を装い、携帯電話の出会い系サイトで知り合った中学2年の少女(13歳)に裸の写真を送らせたとして、大阪府四條畷市の会社員の男(30歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反と強要の疑いで逮捕。男は「胸が小さい」と悩み相談をもちかけ、言葉巧みに携帯電話のメールで裸の写真を送らせ、受け取ると「中学校に写真をばらまく」などと脅迫し、岡山、徳島、大阪の女子中学生8人から約250回にわたり計668枚の画像を送らせていた。
■2006/05/09(神奈川県警少年捜査課と葉山署)
他人を装い知り合いの少女(16歳)に携帯電話のメールで裸の写真を送信させたとして、同県横須賀市の私立大学1年生の少年(18歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反と強要未遂の疑いで逮捕。男は半裸の写真を入手したうえで「画像をインターネットのサイトに載せる」などと脅迫し、少女に全裸の写真を送らせようとした。
■2006/03/20(神奈川県警少年捜査課と金沢署)
女性を装い、男性アイドルの掲示板で知り合った同県の中学3年の少女(14歳)をアイドルからメールがもらえるとだまし、裸の写真を携帯電話のメールで送らせたとして、同県愛川町の会社員の男(34歳)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕。男の要求は次第にエスカレートし、少女が断ると「画像を学校に送る」などと脅迫し、5回にわたって携帯電話に送信させた。
●英国でも類似事件:チャットを悪用、わいせつ写真を要求
こうした事件の発生は、日本だけではないようだ。英ソフォスの10日(現地時間)の発表によると、チャットで知り合った少女たちのパソコンにトロイの木馬を仕掛け、個人情報を盗んで少女らを脅迫し、わいせつな写真を送るよう要求していた英国在住の男に、10年の禁固刑が言い渡された。英ソフォスは発表の中で、子どものパソコンを最新のウイルス対策ソフトやセキュリティパッチ、ファイアウォールで保護するとともに、安全にインターネットを利用する方法を教えることが大切だとしている。
・Trojan pervert jailed; wake up to online threats or this will happen again, warns Sophos[英文](Sophos)
http://www.sophos.com/pressoffice/news/articles/2006/11/ringland.html
「公開されては困るプライベートな情報を、誰かに不用意に渡してはいけない」。これは万人に言えることだが、とくにまだ判断力が幼い子どもたち、性犯罪の標的になりやすい少女たちに、しっかり伝えていく必要があるだろう。
(2006/11/13 ネットセキュリティニュース)