情報処理推進機構(IPA)は27日、ブログやSNSで公開した写真が、プライバシーの侵害などの思わぬトラブルに発展することがあるとして、注意を呼びかけた。
写真を投稿する際には、撮影した日時や場所、写っている人や物が、公開してしても問題ないものなのかどうかを十分検討し、必要な措置をとるよう心がけたい。IPAの発表内容に関しては、関連URLを参照していただき、ここでは注意すべき要点と追加情報をご紹介する。
<撮影場所の特定に注意>
投稿した写真は、そこに写っているものや投稿内容から、撮影した日時や場所を特定される可能性がある。スマートフォンやデジタルカメラで撮影した場合には、撮影機器や撮影条件、GPSの位置情報などの様々な情報を記録した、Exif(イグジフ)情報と呼ばれるものが埋め込まれており、この情報から自宅の場所などを知られてしまうことも多い。場所を特定されたくない場合には、投稿前に写っているものをぼかすなどの画像処理を行うとともに、不要なExif情報を削除しておく必要がある。
<一緒に写っている人に注意>
自分が写った写真が公開されてもよいのかどうかは、人によって判断が異なる。他人が写っている写真を勝手に投稿すると、人間関係にひびが入るだけでなく、肖像権やプライバシーの侵害によるトラブルに発展することもある。必ず事前に許可を得るか、写っている人が分からない様に画像処理を行う必要がある。
<その他の写り込みに注意>
職場で写した投稿写真に、個人情報や機密情報を記載した書類などが写り込んでいたという事故が時々起きる。机の上や壁の掲示物、パソコンの画面などに、公開してはいけないものが写り込んでいないか、十分注意していただきたい。
■Exif情報の確認と削除方法
Exif情報は、投稿先によって扱いが異なり、自動的に削除されるところもあれば、そのまま掲載されてしまうところもある。利用している投稿先でアップロード/ダウンロードを行い、Exif情報がどう処理されるかを事前に確認しておきたい。
TwitterやFacebookのように、写真の位置情報は削除されるが、それとは別に投稿に位置情報を付加する機能を備えているサービスもある。この機能が有効になっていると、位置情報を取得できるスマートフォンなどから投稿した場合に、投稿場所の位置情報が公開されてしまうので注意が必要だ。
写真に記録されたExif情報やこれに含まれる位置情報の表示や削除は、有料無料の様々なアプリが対応しているほか、システムの標準機能で行えるものもある。
<Windows>
画像ファイルのプロパティを表示し、[詳細]タブを開くとExif情報が確認できる。[GPS]の項目がある場合には、位置情報が含まれているので注意したい。[プロパティや個人情報を削除]で、位置情報を含む任意の項目を削除することができる。
<OS X>
画像ファイルをシステム標準の[プレビュー]で開くと、[ツール]→[インスペクタを表示]の[詳細情報]で表示できる。基本的なExif情報は、[Exif]タブで確認できる。[GPS]タブがある場合には、位置情報が記録されているので注意したい。[位置情報を削除]で削除することができる。
<Android>
画像を扱えるアプリは機種ごとに異なるので、それぞれの端末のマニュアルで機能を確認していただきたい。多くの端末で標準または追加インストールされるGoogleの「フォト」の場合には、写真を表示してメニューの[詳細]を選択すると、位置情報が含まれている場合に撮影場所の地図と経緯度が表示される。削除機能はないので、対応アプリを別途用意していただきたい。
端末の位置情報の管理に関しては、[設定]から[位置情報][位置情報サービス][位置情報アクセス][現在地送信機能]などのオプションを選択すると行うことができる。管理できるのは全体のON/OFFのみで、アプリに対する個別の設定はアプリ側の対応次第だ。
<iOS>
位置情報が含まれているかどうかは、標準の「写真」アプリで確認できる。位置情報が含まれている場合には、写真を表示した際に住所が表示されるほか、[写真]から場所を選択して表示することもできる。削除機能は用意されていないので、対応アプリまたは「写真」アプリのプラグインを別途用意していただきたい。
端末の位置情報の管理に関しては、[設定]→[プライバシー]→[位置情報サービス]で行うことができる。全体のON/OFF設定や自分の位置情報の共有設定、個々のアプリに対する利用の許可設定、個々のシステムサービスに対する利用の許可設定と、細かな管理が行える。
(2015/04/28 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・2015年5月の呼びかけ「 ゴールデンウィーク(GW)の行楽写真を投稿する際はご注意を 」(IPA)
https://www.ipa.go.jp/security/txt/2015/05outline.html