2004年2月、インターネット接続サービス「Yahoo! BB」で、450万件を超える顧客情報流出が明らかになった。この漏えいによって精神的苦痛を受けたとして、会員だった男女5人が、Yahoo! BBのサービスを運営するソフトバンクグループ「BBテクノロジー」と「ヤフー」に損害賠償を求めていた訴訟で、大阪地裁は19日、BBテクノロジーに1人当たり6,000円の支払いを命じる判決を下した。
判決によると、BBテクノロジー(旧ソフトバンクBB)は当時、社内サーバーで顧客の住所、氏名などの個人情報を一括管理しており、サーバーへのアクセスに必要なユーザー名とパスワードは担当者間で共有されていた。今回の情報漏えいは、元派遣社員が退職時に、このパスワード等が変更されていれば防げた可能性が高いことから、BBテクノロジーは「不正アクセスを防止する措置を怠った」と判断された。
ヤフーについては、顧客情報管理がBBテクノロジーとは別途に行われており、流出も認められないことから、賠償責任を負わないとした。
本事件の発生当時、旧ソフトバンクBBは全会員に500円の金券を配って謝罪している。今回判決で示された1人当たり6,000円の慰謝料は、それを勘案して算定されたものだが、もし、情報漏えいがあった会員全員が賠償請求するとすれば、BBテクノロジーは270億円を超える金額の請求を受けることになる。
(2006/05/24 ネットセキュリティニュース)
■顧客情報大量流出事件(ネットセキュリティニュース)
・旅行情報サイト「るるぶ」に不正アクセス、登録者情報1,163名分流出(2006/04/21)
・JR西日本「ジパング倶楽部」会員情報12万名分流出、内部犯行の可能性(2005/12/20)・ワコール、不正アクセスでカード情報を含む4,757名の顧客情報流出(2005/11/21)
・NTTドコモの7万件アドレス流出報道で、600万件のアドレスリストも明るみに(2005/10/24)
・楽天KC、カード情報を含む個人情報1,186件流出、最大5,518件の可能性(2005/10/13)
・東京ディズニーリゾート顧客情報大量流出事件、元システム開発者を逮捕(2005/10/07)
・楽天市場の顧客情報流出、クレジットカード番号を含む3万6,239件に拡大(2005/08/08)
・人材派遣大手のアデコに不正アクセス、約6万件の個人情報流出か(2005/06/29)