総務省と経済産業省は25日、両省が昨年12月から実施していた「ボット対策プロジェクト」の取組み状況を取りまとめた。
同プロジェクトは、ボットに感染したパソコンからのサイバー攻撃の拡大を防止する取組として推進。ポータルサイト「サイバークリーンセンター(CCC)」を開設し、ボット対策情報や無償のボット駆除ツール「CCCクリーナー」の提供を行っている。
プロジェクトでは、インターネット上におとり用のパソコン「ハニーポット」を設置。意図的に攻撃を受けさせることで、感染活動を行うボットの検体収集や情報分析を行うとともに、感染者のIPアドレスを取得し、プロジェクトに参加するISPを通じて感染者に注意喚起を行う活動なども行って来た。
ハニーポットが3月末までに収集したボットは、3万1,082種、のべ97万4,999個。うち、市販のウイルス対策ソフトで検知できなかったものが1,711種あり、1,259種については駆除ツールを更新して反映。当該ツールは5万4,699回ダウンロードされた。感染者6,005人に対しては、ISPを通じてのべ10,483回の注意喚起メールを送り、うち1,851人(30.8%)が駆除ツールをダウンロードした。
【解説:ボット(BOT)】
自動操縦用のプログラムのことで、コンピュータウイルスの分野ではパソコンを外部から遠隔操作する目的で仕掛けられるタイプを指す。感染しても目立つ活動はせず潜んでいるため気付きにくいが、外部からの命令を受けて情報を漏えいしたり、迷惑メールの送信や特定サイトへの攻撃などのさまざまな悪事に加担し、攻撃者の手先となって働く。
(2007/04/27 ネットセキュリティニュース)
■平成18年度ボット対策プロジェクト活動実績の公表(総務省)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070425_1.html
■平成18年度ボット対策プロジェクト活動実績の公表について 報道発表(METI-経済産業省)(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/20070425003/20070425003.html
■サイバークリーンセンター
https://www.ccc.go.jp/
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・[ボット対策]~ 総務省と経産省、ボット対策情報発信のポータルサイト開設(2006/12/15)