ファイル共有ソフトWinny(ウィニー)のウイルス感染による情報流出が、まったく止まる気配を見せない。会社から持ち出して個人のパソコンに保存していた業務情報が、次々にWinnyネット上に流出している。
■ NTT東日本、元社員の個人パソコンから190名の個人情報流出
NTT東日本東京支店(東京都港区)は19日、昨年退職した元社員の自宅の個人用パソコンから、在職時に保管していた業務関連ファイルが流出したと発表した。
同支店によると、流出したのは法人顧客の名称と電話番号11件、2003年頃に同社に在籍していた社員の氏名、氏名コード、所属、異動月日、通勤費に関する情報179件。今月8日に同社お客様相談センターに入った匿名メールで発覚し、該当する顧客に対しては16日までに事情を説明し了解を得たという。
・法人のお客様情報及び弊社社員情報の流出に関するお詫びとお知らせ(NTT東日本 東京支店)
http://www.ntt-east.co.jp/tokyo/release/2005/051219a.html
■ CSKシステムズ、社員の個人パソコンから528人分の顧客情報流出
大手システム開発CSKグループのCSKシステムズ(東京都港区)は22日、法人顧客286社528人分の名刺情報が流出したと発表した。
同社によると、流出したのは2003年に西日本地区で開催した同社主催イベントの案内状送付先リストで、20日に同社ホームページの問い合わせ窓口宛てに入った匿名の連絡で発覚したという。流出したリストは社員が無断で持ち出し、個人所有のパソコンに保存していたもので、法人顧客286社528人分の法人名、部署名、役職名、氏名、法人住所、法人電話番号、法人FAX番号、メールアドレスが含まれていた。
・弊社主催イベントご案内送付先情報の流出に関するお知らせとお詫び(CSKシステムズ)
http://www.csk.com/systems/press/2005/20051222_1.html
■ 関西電力、社員の個人パソコンから原発情報がまた流出
関西電力は22日、同社原子力事業本部(福井県美浜町)の社員の個人パソコンから、原子力発電所に関する業務情報などが流出したと発表した。
同社によると、21日に原子力安全・保安院からの連絡で発覚。流出したのは、同社原発の燃料に関する資料、他社原発の2次系配管点検に関する資料、関係者の名簿などで、核物質防護に関する機微情報は含まれてないといという。
同社では今月9日にも社員の個人パソコンから原発関係資料等が流出し、全社的な情報管理の総点検を行うとともに、個人所有のパソコンで業務情報を扱わない、個人パソコン内の業務情報をすべて削除させるなどの対策を進めていたばかり。原子力部門の全社員からは、確認書も提出させていたという。
・当社社員の個人所有パソコンからの業務情報流出について(関西電力)
http://www.kepco.co.jp/pressre/2005/1222-3j.html
(2005/12/27 ネットセキュリティニュース)
【過去1か月のWinnyによる情報流出】
・消防組合、長崎県、学習塾、国民生活金融公庫、郵便局(2005/12/19)
・香川大学医学部、関西電力、日本航空(2005/12/12)
・JR西日本、広島県警、北海道(2005/11/28)