共同購入サイトの「グル―ポン」と「ポンパレ」で、クーポン中止のトラブルが相次いで発生した。1月に起きたおせち料理のトラブルでは、消費者庁が「景品表示法」に違反するとして措置命令を出している。
●消費者庁が商品内容や価格の適正表示を指示
消費者庁は22日、共同購入サイトの「グルーポン」で販売したおせち料理をめぐるトラブルが「景品表示法」に違反するとして、販売元である外食文化研究所(神奈川県横浜市西区)に改善を徹底するよう措置命令を出した。サイト運営に当たるグルーポン・ジャパン(以下グルーポン/東京都渋谷区)にも再発防止を要請した。
同研究所はグルーポンを通じ、33品を詰め合わせた「通常価格2万1000円」のおせち料理を、「50%OFF【10,500円】」として販売した。実際に消費者に届いた商品は、表示と異なる食材が使われたものが7品あり、入っていなかったものが1品あった。同庁は、2万1000円の「通常価格」は架空の価格であることを指摘し、内容も価格も消費者に誤解を与えるものだったとした。
また、グルーポンに対しては、季節もののおせち料理に通常価格が存在しないことに加え、同社のサイト以外で販売されていない商品にも通常価格は存在しないことを指摘。存在しない価格の掲載は割引後の価格と比較するための二重価格表示であるとした。
グル―ポンは同社サイトで「厳粛に受け止め、再発防止に努めて参ります」とコメントを発表している。
●グルーポンで「たいやきクーポン」中止
グルーポンでは、別のトラブルも発生している。昨年12月26日から1700枚販売された、1000円分のたい焼きが500円で買える「たいやきクーポン」が、突然、商品との引き換え中止となった。この件は15日、販売元である「たいやき鯛勝」店長のブログに掲載された「本日をもちましてグルーポンから発行されたクーポンは、使用を中止させて頂くことになりました。返金、苦情等の問い合わせはグルーポンへご連絡ください」という一文から明らかになった。
購入が成立した「たいやきクーポン」は、購入者にメールで送られ、印刷したものを商品と引き換えるシステムだ。同ブログによると「クーポンの偽造」が起こったという。それに伴うグルーポンの対応やクーポンの販売代金の支払いなどの諸事情により、クーポン継続どころか存続さえ危ぶまれる状態に陥ってしまうと判断し、中止の決断をしたという。この件についてグルーポンの公式コメントは発表されておらず、返金等の連絡については購入者個々人へのメールで行われているようだ。
●ポンパレではプリンに申込み殺到、購入キャンセルに
共同購入サイトとしてはグルーポンに次ぐ規模の「ポンパレ」を運営するリクルートは24日、同サイトで販売したプリンの購入チケットについて、申し込み集中により配送不能事態が予測されるとして、すべてキャンセルして払い戻すことにしたと告知した。
キャンセルとなった商品は、2月13~14日に販売された「ぷりん家」(宮城県仙台市)のプリン6個セット。通常の販売価格2900円の商品を1450円で販売し、3月1日までに商品発送を開始する予定だった。しかし、ぷりん家は、想定外の配送申し込みが短期間に集中したため、希望日に配送できない可能性があると判断。2月18日に運営会社に報告し、両社で協議した結果、すべてキャンセルとしたという。購入者には代金を返金し、お詫びとして同サイトで使用できるギフト券1500円を発行するとしている。
今回は配送希望日に商品不着というトラブルを未然に防ぐ形となったが、グルーポンのたいやき中止と同様に、利用者にとって欲しい商品を購入できなかったという結果となった。
(2011/02/28 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・株式会社外食文化研究所に対する措置命令及びグルーポン・ジャパン株式会社に対する要請について(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/110222premiums_1.pdf
・消費者庁よりグルーポン・ジャパンに対する要請に関して(グルーポン)
http://info.groupon.jp/topics/20110222-610.html
・2/13~14掲載「ぷりん家」配送中止のお詫びとご連絡(ポンパレ)
http://ponpare.jp/doc/info_20110224.html
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