先週から今週にかけて、Winnyのウイルス感染による地方自治体関係者からの情報流出が相次ぎ報告されている。
■横浜市、児童関連委託事業所から児童の名簿など239名分流出
横浜市は23日、市内の児童関連委託事業所で事務処理を行っている男性担当者(33歳)のパソコンから、児童の名簿などが流出したと発表した。流出したのは、児童80名と保護者144名、事業関係者15名の住所、氏名、電話番号を含む名簿や連絡網、予算決定書、事業計画書、会議の議事録など。市によると今月20日、住民からの通報で流出を確認。漏えい元を特定し連絡したところ、男性担当者はすでに第三者からの通報で事実を知り、パソコンからWinnyやデータを消去していたという。担当者は市に報告していなかった。
・横浜市の児童関連委託事業における個人情報等の漏えいについて[PDF](横浜市)
http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/joho/press/joho060323.pdf
■名張市立名張小学校、児童のべ530名分の名簿や成績が流出
名張市教育委員会は27日、市立名張小学校に勤務していた男性教諭(41歳)の私有パソコンから、児童の名簿や成績が流出したと発表した。流出したのは、2002年度の全校児童388名の名簿(氏名)、2003~2004年度の3クラス計63名分の名簿(氏名、生年月日、住所、電話番号等)、2002~2004年度に担任した3クラス計79名分のテストの点数や成績の評価など。市教委によると、男性教諭は同校に勤務していた当時、児童の成績などを時々、自宅に持ち帰って私有パソコンで作業していたという。今月24日、県教委に流出を指摘する匿名メールが届いて発覚した。
・名張市
http://www.city.nabari.mie.jp/index.html
■北海道斜里町、行政情報や住基ネット関連情報が流出
北海道斜里町は28日、男性職員(29歳)の私有パソコンから行政資料など1,813件が流出したと発表した。流出した資料には、水道料や町税の滞納者一覧、各種名簿など642名分の個人情報や、役場内のネットワークのログインIDとパスワードも含まれていた。同町によると、男性職員は自宅で作業するために私用パソコンにデータを保存。今年1月中旬頃にウイルスに感染し、保存データが流出したという。町は今月15日、外部からの通報を受けて流出を確認していたが公表はしておらず、27日の報道を受けて記者会見を開いた。町は翌29日、流出情報の中に住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)関連情報が含まれていたとの報道を受けて再び記者会見を開き、当該情報が流出していたことを明らかにした。流出したのは、住基ネットの接続パスワードや操作マニュアルなどで、住基ネット関連の個人情報は流出していない。
・斜里町
http://www.town.shari.hokkaido.jp/
■津市、旧久居市職員の業務メール215件流出
津市は29日、男性職員(30歳)の私有パソコンから、業務関連メール215通が流出したと発表した。流出したのは、合併前の旧久居市役所企画課時代に、男性職員が県や民間企業等から受け取った電子メール。市によると、男性職員は公用パソコンが支給される2004年まで私有パソコンを業務に使用しており、今年1月頃にウイルスに感染。パソコン内に残っていた当時のデータが流出したという。
・津市
http://www.info.city.tsu.mie.jp/
■石川県立高松病院、職員ら843名分の個人情報を含む庶務関係書類が流出
石川県は29日、県立高松病院に勤務していた50代の男性職員の私有のパソコンから、約800件の庶務関係書類が流出したと発表した。流出した書類には、民間5名の名前や住所、職員833名の氏名、生年月日、最終学歴などが含まれているが、患者情報は含まれていない。県によると、県警からの連絡で今月27日に流出が発覚。調査の結果、男性職員が自宅で仕事をするために昨年3月、無許可でデータを持ち帰り自宅のパソコンに保存。Winnyのウイルス感染によってデータが流出したたいう。
・石川県立高松病院
http://www.pref.ishikawa.jp/takabyo/
(2006/03/31 ネットセキュリティニュース)